借りぐらしのアリエッティ


 2014.8.4      小人の縮尺が気になる 【借りぐらしのアリエッティ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
借り暮らしの小人アリエッティ。都市伝説的に言われている小人をアニメとして描いている。小人の生活が、ほぼ人間と変わらず、それでいて、人間から物を少しづつ借りながら生活している。ついつい考えてしまう余計なことは、小人とそのほかの物の縮尺があっているかだ。角砂糖がでかく、それに群がる蟻の大きさや、猫やまち針など、本編とはあまり関係ない部分が気になってしまった。

アリエッティとその存在に気付いた翔の関係は面白い。どこかしら恋に似た感情をアリエッティはもっているのだろうか。小人の生活を守りたい翔と、暴きたいお手伝いさんのハル。小人と人間が仲よく暮らす世界は難しいのだろう。アリエッティたち家族が引っ越すときの描写は、どしても危なっかしく感じてしまった。

■ストーリー

とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。アリエッティの一家は、屋敷の床上に住むふたりの老婦人、女主人の貞子とお手伝いのハルに気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。借りぐらしの小人たち。

■感想
小人の存在の奇妙さはさておき、人間の家に忍び込む描写はすばらしい。小人にとっては、ちょっとした棚も断崖絶壁と変わりない。いろいろな道具を使い、工夫して家の中を移動する小人。足と手に両面テープを付け、その粘り気で壁を登る描写は秀逸だ。

その他にも、小人ならではの危険として、ネズミの存在やカラスや猫などが描かれている。手のひらに乗るような小人にとっては小動物でも、巨大な恐竜ほどの感覚なのだろう。アリエッティたち家族の工夫した生活と、角砂糖ひとつで何年も生活できるような小人たちの私生活は、非常に興味深い。

もしかしたら小人たちの時間は、人間と比べて遅いのだろうか。翔の家では翔が4代目となり、その間に、何回か小人を見たという描写がある。対してアリエッティたちは、別の家族の存在は語られたが、何代目という描写はない。仲間がいない代わりに、人間と比べてとてつもなく長い時間生きることができるのだろうか。

そうであれば、なんとなく納得できた。あとは、仲間がいない中で、どのようにして子孫を増やしていくのか。滅びゆく種族として描かれるだけでなく、スピラーという仲間が登場し、アリエッティたち小人にも、まだ未来はあるというのが良い。

人間世界に入り込む小人の描写の面白さと、実は人間も、小人の存在を微かに感じつつ生活していたというのが面白い。最初に、アリエッティたちにぴったりのドールハウスがあった時、何かおかしいと感じたのだが、人間たちが小人向けに作ったドールハウスというので納得できた。

小人を都市伝説として終わらせるのではなく、そこにドラマを作り上げ、小人と人間の触れ合いを描く。ジブリらしいといえばらしいのだが、よりファンタジーあふれる展開を期待してしまった。

小人と人間の交流という、ちょっと新しい展開だ。



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