アイデンティティ


 2014.12.7      誰も犯人を見抜けない 【アイデンティティ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
ひょんなことからモーテルに集まった男女11人。嵐のため外部と連絡がとれずモーテルにいるしかない。そこで発生する殺人事件。このパターンは、そのままミステリーにありがちな状況だ。となると、11人の中に犯人がいることは想像できる。怪しげなカップルか、囚人を護送中の刑事か、それとも主役的扱いの女優の運転手か。

不可解な殺人事件が続き、死体が消えたりもする。次々と殺され、ラストは3人が残る。この中に犯人が?と思うが、その観衆の思いを裏切る結末がまっている。最初から少しおかしい雰囲気はあった。あまりに都合がよすぎる展開と、意味ありげな会話の数々。オチは驚きであり、最後の最後はやはり衝撃的だ。

■ストーリー

嵐により一軒のモーテルに閉じこめられた11人。極限の状況下、一人、また一人と惨殺され始める。残された誰もが疑心暗鬼になる中、彼らにある共通点があったことが判明する。一方、時を同じくして死刑を直前に控えた猟奇殺人鬼の再審理が行われていた。その彼にも同じ共通点が…。二つの事件が一つに繋がった時、想像を絶する衝撃のラストが待っていた!

■感想
嵐の中のモーテルでは携帯もつながらず、外部と連絡が一切とれない。そんな中で、次々と巻き起こる殺人事件。怪しげなモーテルの店主をはじめ、大けがを負った妻を介抱する夫とその子供。そして、娼婦。怪しいという目で見れば、誰もが怪しく見える。

ただ、何者かに殺されると、当然、犯人候補からは脱落する。ついついミステリー好きとしては、誰が殺すことが可能だったのか、ということを想像してしまう。この手の作品で、呪いなどの非科学的なオチとなることは想定していないのが前提だ。

物語がすすむにつれて、何かおかしな雰囲気に気づきはじめる。判事が死刑囚の再審議を行う場面が合間に挟まれてはいるが、その死刑囚はモーテルに閉じ込められたメンバーとは違う。別の話にしても、まったく無関係なはずがない。

まさか、この死刑囚が突然モーテルにやってきて連続殺人を実行したのか?という最もありきたりで残念なオチが頭をよぎったが、そうではなかった。何か仕掛けがあるのはわかっていたが、それに気づくのは最後の最後ということになる。

11人の出自が明らかとなると、観衆はより混乱することになる。なぜ、みんな誕生日が同じなのか。そして、名前にも一定の規則がある。偶然やアクシデントによりモーテルに集まった者たちのはずが…。超自然的な結論を想像せざるお得ない展開かと思いきや、仕掛けは最後に示される。

ラストで死刑囚の存在が大きな意味をもってくる。その容姿が、ハゲたデブの男というのも、見た目とのギャップということで重要なのだろう。このオチは誰も気づかないだろう。

孤立したモーテル内での殺人という、ありがちな舞台に騙されてしまった。



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