2014.5.20 絶望的な一面銀世界 【ヒマラヤ 運命の山】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
ヒマラヤ山脈の広大な雪景色。そして、過酷な雪山登山。メスナー兄弟がヒマラヤ山脈のルパール壁に挑んだ物語だ。すべてが実話であり、兄だけが生還した理由が語られている。雪の壁をひたすら登る描写がすさまじい。なぜ、これほど無謀なことに挑戦するのか。人の精神力の強さと、雪山で放置されたとしても、生還できる人間の強さを感じた。
恐らく、登山経験者ならばより共感できることも多いだろう。手足が動かなくとも、這ってでも前に進む。遠目からメスナー兄弟を映した映像がすさまじい。一面雪山の中で、ふたりの足跡だけが点々と続いていく。絶望感にさいなまれる中、ひたすら足を前に進める。ボロボロのラインホルトの姿は印象的だ。
■ストーリー
地上8000メートルの真実。1970年 ヒマラヤ山脈ナンガ・パルバート前人未到の標高差4500メートルのルパール壁に挑んだ兄弟――しかし、生還したのは兄ラインホルト・メスナーだけだった。運命の山で起こった出来事とは?そして、初登攀者をめぐる真実とは?
■感想
ヒマラヤ山脈の最も過酷なルパール壁に挑む兄弟の実話。見渡す限りすべてが雪の中、ひたすら頂上を目指して登り続ける兄弟。天候の問題やチームとの関係など、人間味あふれる内容となっている。チームとしてルパール壁に挑むのだが、皆が最初に登りたいと考える。
となると、どんな過酷な天候であっても、先へ進もうと考える。メスナー兄弟は自分たちの実力に自信を持ち、いちはやく頂上へたどりつこうとする。雪山へ挑む男たちの駆け引きもまた、物語の面白さのひとつだ。
過酷な雪山に対してペアで昇っていく。とんでもない雪の壁を、少しずつ登っていく。その映像というのは強烈だ。雪の壁に人がくっついている。数十センチずつしか進めない中、何百メートルも壁を登らなければならない。
しっかりとしたルートがない中で、自分たちで安全なルートを見つけ出し進む。登山途中に天候が荒れると、そこで一夜を過ごす。雪山でテントもなく一夜を過ごすことができるのかと驚いた。人間の体の強さと、前人未到の記録に挑戦する男たちの精神力の強さに圧倒されてしまう。
ラインホルトが弟を置き去りにした理由が語られている。下山のルートがなく、別のルートを探索し帰り着くその精神力の強さはすさまじいのだが、映像的なインパクトもすごい。周りは、はるかかなたまで一面雪。正規のルートで下山すれば仲間のキャンプにたどり着けるはずが、別ルートを選んだために、どこまで行ってもゴールがない。
絶望的状況にも関わらず、這ってでも前に進むラインホルトの精神力に心打たれる。ボロボロになりながら、見ず知らずの現地人に助けられ、無事、仲間と合流できたときには、奇跡としか思えなかった。
圧倒的な迫力で描きだされる雪山の映像は必見だ。
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