ボックス!


 2014.10.6      俳優たちの熱さを感じる 【ボックス!】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
やんちゃな天才ボクサー・カブ。気弱な優等生のユウキ。二人がおりなすボクシング青春物語。カブはその才能から攻撃ばかりで防御は頭にない。それでも圧倒的強さで勝ち続ける。対してユウキは地道にコツコツと基本練習を続けていく。となると、「うさぎと亀」ではないが、おのずと展開は想像できる。誰もが考えるように、カブは稲村という強敵に負けると、挫折しドロップアウトする。

ユウキは地道に練習を続け強くなる。セオリーどおりの流れではあるが、カブのキャラクターが良い。バカまるだしな恰好をしたかと思えば、ユウキのことを気にかけたり。ぶっきらぼうなところがありつつも、心のどこかでそんな自分が気に入らない。オーソドックスな流れが安心できる。

■ストーリー

幼馴染みの天才ボクサー・カブに憧れボクシング部に入部した気弱な優等生のユウキ。持ち前の生真面目さで日々鍛錬を重ねる彼は、やがて高校ボクシング界で無敵を誇るカブに一歩ずつ近付いていく。

■感想
地道に努力するタイプが天才を追い抜くというのが、この手の作品の定番だろう。天才カブは一度の負けで挫折する。ユウキはひたすら地味な練習を続ける。カブに恋をするマネージャーの存在や、カブの必死な表情に感化されるユウキの表情が美しい。

序盤はまさにボクシング青春物語そのままだ。お決まりどおり挫折したカブ。そこで、皆がカブを連れ戻すのかと思いきや、そうはならない。ボクシングを辞めたカブは放置される。このあたり、厳しいようだが、この流れが現実なのだろう。

ドロップアウトしたカブとユウキの関係が悪化するかと思いきや、そうはならない。このあたりが物語を明るく楽しくしているのだろう。カブとユウキの幼馴染の関係は、カブがグレたとしても変わらない。どことなく、カブの善人的な印象が全開している。

チンピラに絡まれたとしても、カブは手を出さずユウキ一人がタイマンする。カブとユウキのボクシングとは関係のない繋がりが、物語に変化を与えている。単純と言えば単純だ。わかりやすく爽快なボクシング映画を見たいならば、本作はうってつけだろう。

ストーリーの単純さはあるが、なによりボクシングの映像がすばらしい。恐らく、演じる俳優たちはかなり練習をつんだのだろう。動きもさることながら、スタミナがすさまじい。ある場面では、ひとつのカメラでひたすら試合のシーンを撮り続けるというのがあった。

演技としてここまでできるのか、それとも本当の試合のように自由にやらせたのか。プロが見ればアラはあるかもしれないが、素人が見る限り、立派なボクサーの試合に見えた。特にユウキは、最初と最後では体つきがまったく変わっていることに驚いた。

ストーリーは単純だが、俳優たちの熱さを感じる作品だ。



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