ベスト・キッド


 2014.10.16      オリジナル好きならば 【ベスト・キッド】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
1984年に上映された作品のリメイク版。オリジナル版は空手であったのが、カンフーに変わっているだけで基本スタンスは同じだ。黒人の少年が中国で生活することになる。お決まりどおりイジメに合い、カンフーの達人であるハンに弟子入りしイジメから脱却しようとする。定番的流れであることは間違いない。主人公が黒人の少年ということで、若干、そのあたりでの描き方に変化があるだけだ。

ウィル・スミスの息子の演技はすばらしい。少年らしさと弱いくせに小生意気でプライドが高い。かと思えば、驚くほど素直な行動をとる。育ちが良いというか、ベストキッドの主人公にしては上品な雰囲気が漂っている。イジメられるシーンもそれほどみじめに見えないのはそのせいだろうか。

■ストーリー

父を亡くし、母とふたりで新生活を求めてアメリカから北京に引っ越してきた少年ドレ(ジェイデン・スミス)。言葉も文化も違う新しい環境になじめず、地元のカンフー少年チェンたちにいじめられる毎日。逃げ道ばかり探していたドレは、ある日、マンションの管理人ハン(ジャッキー・チェン)に助けられる。

実はカンフーの達人であるハンは、「自分を守るために使う」条件でドレにカンフーを教え始める。ひたむきに訓練を重ね、逃げずに立ち向かうことの大切さも学んでいくドレ。そしてついにチェンとのカンフー決戦に臨む・・・!!

■感想
北京へ引っ越してきた少年ドレ。まったく中国語を話せないはずが、同級生の中には英語がペラペラの子供がいる。お決まりどおりイジメにあい、ボコボコにやられてしまう。そこから這い上がるまでが、本作のポイントであることは間違いない。

ハンから教えられるのは、ジャケットをハンガーにかけるという日常の動作をひたすら繰り返すだけ。ハンとドレの修行が一番の見どころなのだが、オリジナルと較べると、若干インパクトが弱まっている。オリジナルを知らなければまったく違和感はないだろう。

ハンはたまに気になる咳をしたりと、体が弱いという描写がある。それ以外は、偏屈ではあるがドレのことを思いやる良い師匠のように見えてくる。後半になると、ハンの秘密が明らかとなり、二人の関係がより親密となる。オリジナルよりもハンは真人間だ。

もっと意地悪く、ドレをただの手伝い人として扱うような雰囲気をイメージしていた。ドレの素直さと、ハンの熱心さでドレはめきめきとカンフーの腕を上げていく。結果は誰もが想像するとおりなのだが、困難に立ち向かう姿というのは、やはり見ていて楽しくなる。

ウィル・スミスの息子が主人公ということで、それなりに話題になった作品だ。ハン役のジャッキーがとぼけてやる気のない雰囲気ながら、実はカンフーの達人というのが良い。冒頭の場面で、ハンがラーメンを食べている時に、ハエが周りを飛んでいると、それを箸でひとつかみ!なんてことにならないのが良い。

明らかにオリジナルを意識しての展開なので、オリジナルのファンは思わずニヤリとしてしまうだろう。オリジナルを全く知らない人が見ると、王道すぎる王道作品なので、もしかしたら不満に感じるかもしれない。

オリジナルが好きな人はぜひ見るべきだろう。



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