アルゼンチンババア


 2014.10.30      思春期の少女は悩む 【アルゼンチンババア】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
みつこは両親と3人暮らし。幸せな家庭は母親の死から一気に変わっていく。父親が町はずれに住む変わり者の女の家に転がり込む。思春期の娘からしたら、これ以上ないほど強烈な体験だろう。変わり者の女は、ボロボロな服を着て、ごみ屋敷のような住処で、怪しげな歌やダンスを踊る。近所の子どもたちからは、当然ながら”アルゼンチンババア”とバカにされている。

みつこは、従弟と共に父親を取り戻そうとする。なぜ父親がアルゼンチンババアの家に転がり込んだのか。男女の関係にあるのか。みつこは見捨てられたのか。不可解なまま、父親は屋敷の屋上に曼荼羅を掘り続ける。不条理ものかと思いきや、ちょっとホロリとくる感動作品だ。

■ストーリー

仲の良かった3人家族。イルカの島で過ごした楽しい想い出を残し、大好きだった母が死んだ。母を愛し、仕事一筋だった墓石彫りの父はなぜかその日に限って病院に顔を出さず、突然、姿を消してしまった! 半年後、父は町外れに住む変わり者の女の人の屋敷で発見された。そこは広い草原にぽつんと佇む小さな田舎町のなかの異国。

昔はタンゴやスペイン語を教えていたらしいが、今はちょっと頭がおかしくなって怪しい呪文を唱えているとみんなが噂する謎の“アルゼンチンババア”。母親の供養もほったらかして、どうして父がそんな人のもとに!? 一人娘のみつこは勇気を奮い起こし、父親奪還に向かうのだが・・・。

■感想
突然の不幸がみつこに降りかかる。母親が死んでから父親が行方不明となる。それだけでも、かなり強烈な体験なのだ。その後、父親の消息がはっきりするのだが…。父親が、有名な変わり者の女の家に転がり込んでいると知った時のみつこの心境は、想像を絶するものだろう。

父親の消息がはっきりすると、近所で有名となり、みつこはかわいそうな子供というレッテルを張られることになる。バカな従弟はやることばかり考えてはいるが、みつこと共に父親を取り戻そうとする。

アルゼンチンババアは、普通の生活をしているはずだが、その風貌と雰囲気からごみ屋敷に住む老婆のような印象を受けた。母親の供養もほったらかしのまま、アルゼンチンババアの家に住む父親の心境とはどのようなものなのか。仲の良い夫婦だったはずが…。

みつこからすると、自分の母親がアルゼンチンババアに負けたという思いが強いのだろう。汚らしいババアに母親が負けた悔しさは、みつこだけでなく親戚たちも同じ思いなのだろう。アルゼンチンババアの屋敷の描写が微妙に汚らしいのがポイントだ。

みつこと従弟の関係が面白い。従弟は、みつことやることを考えている。みつこは従弟をバカにしながらも、父親奪還に使おうとする。若い堀北真希が良い。悔しさをにじませる表情が可愛らしい。ぶっきらぼうでありながら、強く自己主張できない。

微妙なキャラクターだが、父親との関係に悩む思春期の少女を好演している。アルゼンチンババアの強烈なインパクトに押される雰囲気があるのだが、それでも、みつこのキラリと光る個性が印象に残っている。

ごみ屋敷の住人のインパクトがすさまじい。



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