有川浩の高知案内 


 2014.4.19    マニアックな観光地? 【有川浩の高知案内】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

作者の故郷である高知を独自の視点で案内する作品。「じゃらんや」「るるぶ」のように、カラフルで若者たちがはしゃぎまわる絵はない。しっとりと、ツウが喜ぶようなそんな観光地ばかり?なのだろう。高知に行ったことがないのでよくわからない。が、田舎だというのはよくわかる。田舎のさびれた名所とでも言うのだろうか。

人気のない海もそれなりのキャプションをつければ、大そうな観光地に早変わりする。海がきれいで川がきれいで山は緑がいっぱいというのは、そのまま田舎の風景ということだ。一瞬、自分の地元に帰ったような気分になってしまった。そして、定番的ではあるが、田舎メシがうまそうに見えるのは当然のことだろう。

■ストーリー

2013年5月公開の映画『県庁おもてなし課』の原作者自ら、舞台&ふるさとである高知県を案内! ツアープランも有川氏自身が計画し、一泊二日×2旅程で高知の魅力をご案内。『県庁おもてなし課』や『空の中』といった、高知を舞台にした著書に登場するあの場所この風景も満載! 映画主演・錦戸亮氏(関ジャニ∞)と有川氏の対談も収録。

■感想
高知の観光地を案内する作者。高知出身ということで、ありきたりな観光地ではなくツウが喜びそうなマニアックな観光地を紹介しているのか?そもそも高知の観光地に詳しくないので、どの程度マニアックなのか疑問だ。はりまや橋が日本三大がっかり名所というのも知らなかった。

確かに紹介の写真を見ると、人が映っていなければ、それなりにすばらしい名所に見えるが、比較対象として人が存在すると、途端に人との対比でしょぼく見えてしまう。ただ、そのしょぼさ加減も、本作のマニアックさに似合っているような気がした。

高知を舞台にした作品を多数描いている作者だけに、思い入れも強いのだろう。作者の熱烈なファンならば、作品を思いだしながら楽しむことができるかもしれない。作者のファンでなくとも、都会で疲れた人たちを癒す田舎の良さというのがあふれている。

海や山のきれいさは、田舎ならば当然のことだが、それを立派な観光地として成立させようとする強引さも良い。田舎に住んでいる人が読んだとしたら、景色の美しさについては、あまり感銘を受けないかもしれない。自分の田舎を思い出す程度のことはあるのだろうが…。

観光地的にはなんてことなくとも、食べ物はうまそうだ。新鮮なカツオやその他高知独特の品々。特にアイスクリンについては、自分も小さいころに食べた記憶があるので、読んだ瞬間、無性に食べたくなった。それら、おいしい食べ物は観光地としては外せないだろう。

観光地はおいといて、おいしい食べ物を食べにだけ高知に行こうと思ってしまうかもしれない。土佐ジローなんてのは食べたこともないが、ぜひとも食べてみたい食材だ。

高知をよく知らない人ほど、本作を読んで高知の魅力(食べ物)に気づくべきだ。




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