アナと雪の女王


 2014.8.13      劇中歌で気分が高揚 【アナと雪の女王】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
話題作。映像的なすばらしさは目を見張るものがある。特にエルサが魔法で氷の城を作る映像はすばらしい。氷の透明度や輝きがこれほど細やかにアニメで表現できるのはすごい。そして、もう一つ特徴的なのはミュージカルだ。突如としてキャラクターが歌いだす。そして、その歌が世間で大量に流されている例の歌だ。

日本語吹き替え版では松たか子が歌っているのだが、予想外にうまいことに驚いた。歌により気分が盛り上がるのはわかるが、この手の雰囲気が苦手な人は、まったく受け入れられないだろう。映像と歌。ストーリー的にも男が排除されているという特徴があるのだが、なにより映像と歌のインパクトがすごい。女性ウケが良いのは間違いないと思った。

■ストーリー

雪と氷の世界を舞台に、運命に引き裂かれた王家の姉妹を主人公に“真実の愛”を描いた感動アニメ。触れるものを凍らせる力を持つ姉・エルサは、戴冠式の日に王国を冬に変えてしまい、城から逃亡する。妹・アナは姉と王国を救うため、雪山へと旅立つ。

■感想
心に氷の魔法をかけられたアナ。体がゆっくりと凍っていく。魔法を解くためには、愛する人のキスが必要。よくあるおとぎ話のパターンだ。ディズニー映画はやはり王道を行くのだろうと思っていたが、結末は思いもよらないパターンだ。

本作にはクリストフとスヴェンという二人の男が登場するのだが、どちらもアナを助け出す役目を果たしていない。お姫様を助けるのは、王子様の役目。もし、王子様がダメでも、一緒に旅をした逞しく頼りがいのある男により救い出されるのが定番だが、本作ではそうならない。

アナを救出だすのは、結局自己犠牲の力という、男をまったく排除した流れは珍しい。エルサとアナという二人のヒロインが登場しながら、男はほとんど活躍しない。すべては女性が自分たちの力で危機を脱し復活する。エルサが劇中で熱唱する「ありのままの~」が余計意味ありげに聞こえてくる。

見方によっては、男なんかいらない、と思えてしまう。すばらしい映像とインパクトのある歌声によってごまかされているが、かなりメッセージ性は強い。それを敏感に感じた女性たちに支持されるのだろう。

ミュージカル調が受け入れられないようなら、見ない方が良いかもしれない。ディズニー映画をほとんど見ないのに、話題になっているからと見る人は、かなり覚悟をして見る必要がある。自分もディズニー映画はほとんど見ないのだが、本作のパターンにかなり驚かされた。

歌と映像は受け入れられたが、このストーリー展開は、かなり強烈だ。王道であれば安心できるが、あえて流れを外している感が伝わってくる。本作が女性に支持されるということは、女性たちの心のどこかで、男に依存することに嫌気がさしているのだろうか。

確かに歌はすばらしい。



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