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　2013.1.22 　　 すすめ超能力軍隊！　【ヤギと男と男と壁と】　　HOME

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評価：3

■ヒトコト感想
超能力を軍事力として使おうという、奇想天外なアイデアを実施した軍隊は存在したのだろう。本作は、いかにもアメリカがやっていそうな、超能力軍隊というのを面白おかしく描いた作品だ。現実世界でどこまでマジメに取り組んだのかわからないが、なんとなく本作のような雰囲気になるのは想像できる。サイキック集団として訓練を行うが、そこはスターウォーズに色濃く影響を受けた集団だった。ありもしない超能力を強烈にアピールしたりもする。戦場記者のボブ目線で語られる本作は、他の胡散臭い超能力者はおいといて、リンがどこまで本当に超能力を使えるかは、最後まで謎のままだった。この真剣さがコメディとしての面白さを際立たせている。

■ストーリー
戦場記者ボブは、中東で極秘部隊を遂行しているリンと出会う。リンによると、アメリカ国防総省が敵の考えを読み、壁を通り抜け、睨むだけでヤギを殺す超能力部隊を組成したというのだ。そして、リンの目的は失踪したその創始者ビルを救出する事だった。この話を聞いたボブは、リンへの同行取材を決意する。そしてついに、二人はラリー率いるサイキック集団に囚われたビルを発見するのだが・・・。

■感想
壁を自由に通り抜け、ヤギをにらむだけで殺してしまう。そんな超能力を持った男たちを集めて軍隊にしようと考えた国があった。その国とは、誰もが想像するようにアメリカだ。物語は、戦場記者として手柄を立て、周りを見返してやりたいと思う男ボブは、極秘作戦を遂行しているというリンと出会う。超能力部隊の創始者であるビルを救出するために向かう二人だが…。リンが本当に超能力者なのかは別として、信じきる心というのはすごいと感じた。他人に何を言われようとも、自分の考えを貫き通す。その姿がやけに面白く映り、真剣な中に強いコメディ臭が漂っている。

サイキック集団の元であるビル。ビルは超能力の間違った理解から、上官たちを説得し超能力部隊を作り上げることに成功する。目に見えない力なだけに、他人をどのようにして納得させるかが難しい。しかし、ビルの根拠のない自信と、他を圧倒する信じる力というのが、これまた面白さを倍増させている。的外れな超能力の訓練をひたすら続け、さらにはリンがビルに心酔しているところが、変な面白さがある。なんでもない場面で、コインの表と裏をひたすら当て続けるリンの、役に立たない超能力がさらに面白い。

ラストはなんだかよくわからない。超能力を信じるかどうかはおいといて、人の一途に信じる心というのは、何者にも変えがたい力があると思わせる作品だ。超能力をひたすら鍛える場面というのが、ちょっとした自己啓発セミナー的に見えたり、ヤギに執拗にこだわるというのが、物語としてのポイントのように思えて仕方がない。強烈なインパクトはないが、コメディなのか、それともシリアスなのか。ジョージ・クルーニーが真剣な表情でとぼけたことを口走る姿というのは、非常に絵になると思った。

タイトルどおり、結局意味がよくわからない作品だ。