私がクマにキレた理由


 2011.8.23  ナニーになった可愛いアニー 【私がクマにキレた理由】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
セレブの子どものめんどうを見る”ナニー”のドタバタ生活を描いているだけなのに面白い。表現の仕方が面白いのだろう。セレブでゴージャスな雇い主を、とことんまでゴージャスに描き、ナニーとして働くアニーは、子どもやミセスにふり回される。セレブな子どもへのヘンテコな教育方針や、子どもをほったらかしにする親など、問題を面白おかしく描き、さらには大卒ながらナニーを続けることへの不満も描く。ナニーという職業が一般的なアメリカだからこそ笑えるのかと思ったが、普遍的な面白さがある。セレブと一般人の立場の違いや、エリートに対するやっかみあり、卑屈な描写ありとアニーの苦悩が楽しくなってくる。ラストはハリウッド的なハッピーエンドだが、それまでの山あり谷ありのストーリーは最高だ。

■ストーリー

ステキな仕事についてエリートになる!はずだったアニーは、ひょんなことからマンハッタンの超ゴージャスなセレブの家で息子の世話をする“ナニ―”として働くことに。雇い主は、美しく高慢な“ミセスX”。自由なニューヨーク生活を夢見ていたアニーは、勝手なセレブ親子に24時間振り回されっぱなし。言いたいことも言えない、プライベートもない、恋もできないそんな仕事なんて辞めてやる! 本音を爆発させ、キレてしまったアニーが見つけた未来とは?

■感想
ナニーという子守にも似た職業は、日本人にはあまりなじみがないだろう。セレブの中のセレブで、家がだだっ広く、メイドがいるような家だからこそ存在する職業だ。わがままな子どもと無茶な要求をするミセスX。仕事人間である旦那に、セレブ後近所さんであるイケメンの男など、アニーの周りは様々な困難が待ち構えている。ステレオタイプのイケメンがアニーに恋をしたり、浮気性の旦那がアニーに色目を使ったりとありきたりな展開もあれば、子どもと心を通じ合わせていく場面ありと、退屈しない流れとなっている。

基本的には楽だと思っていたナニーの仕事が、かなり予想と違っていた困惑するアニーという図式が続いていく。ナニーの仕事に慣れると、今度はセレブ家庭の問題が目に付いてくる。アニーのキャラクターが、はちゃめちゃなことをやったかと思うと、マジメな面を見せたりと、憎めない可愛らしさをもっている。憎らしいはずの子どもも、最後には可愛く見え、雇い主であるミセスXも、最後の最後には良い母親に見えてくるから不思議だ。アニーという刺激剤が、セレブ家庭の膿をすべて表面にだしたような感じだ。

日本人にはなじみがないが、ナニーの仕事というのが興味深い。セレブであるだけに、パーティあり、食べものの制約ありと、かなり興味深い生活だ。アニーが最後にキレるシーンなどは、誰もがアニーに感情移入できるだろう。可愛らしく前向きだが、ちょっと抜けているアニー。ナニーの仕事に対して誇りを持つというのではなく、新たな道を歩み始めるというのが、いかにもハリウッドらしい結末だ。家柄の違う恋人とうまくやるためには、高学歴を経て、大企業で出世し、同じくらいセレブになるしかないのだろう。

セレブと一般人の格差を面白おかしく描いているとも言える作品だ。



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