ソルト


 2012.11.13    ハリウッド的スパイもの 【ソルト】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
アンジェリーナジョリー渾身のアクション。ロシアからのスパイという設定の物語だが、これでもかと激しいアクションを繰り広げる。幼いころから特殊な訓練を受け、スパイのエキスパートとしてアメリカに送り込まれたソルト。冷戦が終わった今となっては、ロシアのスパイといってもピンとこない。作中でも同様に、ロシアからアメリカに送り込まれたスパイたちは、独自に活動することになる。スパイとしての目的は何なのか。誰が味方で誰が敵なのか。ソルト目線で考えると、かなり複雑な構成だが、物語は単純だ。いつものハリウッド映画らしく、最後には核ミサイルを発射するかしないかという大げさな展開で幕を閉じているのだが、続編があるような終わり方だ。

■ストーリー

アメリカCIA本部。ロシアからの謎の密告者が捕えられ、衝撃的な告白を始める。大統領を暗殺するために、ロシアからスパイが送り込まれると。その名はソルト。それは彼の尋問を担当していたCIA女性職員の名前だった。「これは誰かの罠よ。夫に会わせて!」と懇願するも、同僚であるCIAから追われる身となった彼女は、金髪を黒髪に染めて変装しながら逃亡する。翌日、厳重な警備の中、アメリカ副大統領の葬儀会場に現れたソルトは、いとも簡単に捕まるが、何かがおかしい・・・。彼女の正体は?そして、真相は?

■感想
スパイとして英才教育を受けたソルトの出自がお誂え向きだ。両親はチェスのチャンピオンとオリンピック選手。子どもであるソルトは頭脳と体力を兼ね備えた存在らしい。確かにソルトは人間ばなれしたアクションを繰り広げる。ソルトが相手をするのは、仮にも特殊な訓練を受けた者たちだ。それらを相手にし、ソルトは捕まったとしても、何度も逃げ出してしまう。高速道路を走るトレーラーからトラックへ飛び移るのはもちろんのこと。あげくのはてには、ヘリから海に飛び込んだりもする。むちゃくちゃだが、ハリウッドらしいアクションだ。

本作のポイントとして、何が真実か観衆もわからないというのがある。ソルトはスパイではないと主張する。定番の流れとしては、ソルトは疑いをはらすために行動するのだが…。ロシアのスパイ組織とその不明確な目的で、観衆は何が真実かがわからなくなる。ロシアのスパイがロシアの大統領を暗殺するだろうか。「夫に会わせろ!」と主張するソルトの心には、何か目的があるのか。意味ありげな小道具が登場したりと、観衆の予想気分を刺激する材料にはことかかない。

本作ではめずらしくアメリカ側がわりとコケにされている。何度もソルトに逃げられたり、警戒していながらロシア大統領を襲撃されたり。あげくのはてにはアメリカ大統領まで。ソルトの勇猛果敢な行動に、アメリカ側は翻弄されるばかり。ソルトがロシアのスパイかどうかに迷い、さらには、自分たちの中枢にロシアのスパイがもぐりこんでいることにも気付かない。アメリカ称賛が多いハリウッド映画にしては、ずいぶんと毛色がちがう。

ラストの展開からすると、続編があるのか。もしくわ、ソルトの扱いに苦労した結果のオチなのか。



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