しあわせの隠れ場所


 2013.2.12     エンドロールが感動的 【しあわせの隠れ場所】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
実話を元にした物語。エンドロールで流れるポートレートを見ると、本当に幸せだったのだなぁと思わずにはいられない。見ず知らずの巨大な黒人を家族同様にあつかうなど、日本では考えられない。養子をとることがそれほど珍しくないアメリカだからこそ成立する物語だろう。マイケルが、最初は戸惑いながらも、アメフトでその実力をはっきしていく場面は、まさにシンデレラストーリーそのものだ。周りからどんなに忠告されようとも、マイケルを家族としてあつかったリー・アン。マイケルの語学不足や知能不足が困難さに拍車をかけ、よけいな重荷を背負いたくないと普通なら思うはずが…。リーアンは違っていた。少し間違えれば、金持ちの道楽と思われかねないが、そんな無粋なことを考えるべきではないだろう。

■ストーリー

一度はホームレスになるなど過酷な少年時代を過ごしながらも、ある家族との出会いによって自らの才能を開花させ、ドラフト1巡目指名でNFLデビューを飾ったマイケル・オアー選手の感動の実話をサンドラ・ブロック主演で映画化。

■感想
得体の知れない黒人の少年を家族として家に招きいれ、その子がNFLデビューするという、言ってしまえばそれだけの話だ。ただ問題は、その黒人が体がでかく、うすのろで知能が低いということだ。まるで捨て猫を拾うようにリー・アンがマイケルを家に住まわせるのだが、このあたりでも、何かマイケルが問題をおこすのではないかとドキドキしてしまう。見た目はヌボっとしているが、何が地雷となり怒りだすかわからない。年頃の娘がいるということが、何よりも不安材料のように思えて仕方がなかった。

物語は、観衆の不安をそのまま登場人物の言葉として表現している。それに対して、リー・アンが超然と対応するのがかっこよい。何のためにマイケルを家族としてあつかうのか。のちに、アメフトでヒーローとなったマイケルの進学先として、リー・アン夫妻が誘導したという疑惑がかけられるのだが、それも当然のことだろう。何の見返りも求めず、ただ可愛そうだからマイケルを拾ったのか、それとも…。マイケルと家族の絆が深まるにつれ、リー・アンが幸せを感じる描写から、偽善ではなく、心からマイケルと接しているということがよくわかる。

エンドロールで流れる実際の家族の写真を見ると、涙が出そうになる。マイケルの想像以上の巨体と、良い人そうだが、ぱっと見は恐ろしい風貌。リー・アンや、娘や息子たちがマイケルを差別することなく、本当の家族として接していたのがわかるようなポートレートだ。ドラマのような話が現実に起こり、それを映画化した作品なだけに間違いはない。多少誇張しているとはいえ、ホームレスがNFLの選手になるなんてことは、まさにアメリカドリームだ。

これが完全に虚構の話だったら面白くもなんともない。実話というのが大きいのだろう。



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