レインディア・ゲーム


 2011.7.26  強引な流れのままラストのオチへ 【レインディア・ゲーム】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
すべてはこのオチのためにあるのだろう。正直、最後まで見終わると、いったいどこまで予想して、すべてをお膳立てしたのだろうか、というありえない疑問ばかりがわいてきた。ルーディがニックに成りすまし、文通相手に接近し、まんまとおいしい目にあうのだが、そこからよくわからない展開となる。いつの間にかカジノ強盗の仲間にされ、大金をせしめようとする。出演者は豪華で、二転三転する流れも面白い。ただ、ラストのすばらしいオチを成立させるためなのか、あまりに強引すぎる場面が多々あった。いくら殺される危険性があるとしても、どこまで協力するのか。また、いくら金がほしいからといって、どこまで見ず知らずの相手に体を提供するのか。すべてはラストのオチのためだ。

■ストーリー

囚人のルーディ(ベン・アフレック)は、刑務所内で殺されたニックになりすまして、出所後、彼の文通相手だったアシュリー(シャーリズ・セロン)に接近するが、彼女の兄カブリエルに拉致され、カジノ強盗に加わる羽目になってしまう…。

■感想
刑務所で文通相手と付き合う云々の話が驚きなのと、出所後いろいろあり、いつの間にかカジノ強盗に巻き込まれる流れは面白い。アシュリーに何か裏があるというのは最初からわかっていた。いくらいろいろな理由をつけたところで、刑務所にいる男と一度も顔を会わさずに恋心をいだくだろうか。調子が良すぎるニックの自業自得の部分や、ガブリエルたちがカジノ強盗にこだわる部分なども気になった。ただ、最初にサンタクロースが何人も倒れている姿を見せ、いったい何があったのかと思わせる引きの強さはある。

冒頭のサンタの映像へと追いつき、事態がある程度解決したかと思わせておきながら、最後の最後に驚きの真実がある。確かに驚きの展開だ。まったく想像できない展開だけに、なぜそうなるのかと、瞬時に頭の中で予想した。劇中では、ある程度の説明がなされているが、それらはすべて「買収した」という言葉で終わっているので、説得力は薄れてしまう。それでも、ラストのオチへ向かうスピードと、何も考えることができないほどの驚きによって、すべてを凌駕している。

それなりにビッグな出演者と、脚本はすばらしい。ただ、中盤の不自然さで多少ダレてしまうのと、事件の黒幕が想定した流れが、あまりにもご都合主義的であり、今回はたまたま運良くそのとおりになったというだけだ。すべてをお膳立てし、もうこの流れしかないというほど、ガチガチに周りを固めたというわけではなく、不確定要素が多いのが気になった。そのあたり、劇中でもふれられているのだが、どうにかなるという言葉で終わっている。

ラストに大きくひっくり返る流れは、誰も想像できないだろう。



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