RAILWAYS


 2012.4.17   夢を追いかける男はカッコイイ 【RAILWAYS】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
家庭を顧みず、仕事人間だった男が50を前にして夢に挑戦する。夢に挑戦するタイプの作品は熱くなる。それが、50歳という夢を追うには遅いと思われる年齢の親父が挑戦する姿というのは、否が応でも感動を引き起こす。一流企業を捨てて、田舎の単線の電車の運転手となる。客観的に考えると、「なぜ?」という思いしかない。しかしそこには、本人にしかわからない夢がある。筒井肇というキャラクターが気持ちが良いほど爽やかで、何に対しても前向きなところがすばらしい。息子ほど歳の離れた男と、新人として一緒に研修したとしても、そこに特別な思いはない。エリートというプライドなど最初からもっていない。筒井肇を中井貴一が好演することで、感動もかなりアップしている。

■ストーリー

一流企業に勤める49歳の筒井肇は、家庭を顧みず、忙しく仕事に追われる日々を送っていた。会社での立場は確立するが、妻や娘の心は離れるばかり。そんなある日、故郷の島根で一人暮らしをしている母が倒れたとの連絡が入る。追い打ちをかけるように、同期の親友の事故死の知らせが・・。それをきっかけに仕事一筋の人生に疑問を抱き始めた肇。「俺は、こんな人生を送りたかったのか・・・」そして、肇は、子供の頃の夢だった一畑電車通称“バタデン”の運転士になることを決意する。その時、家族は・・・。

■感想
エリート会社員として、それなりの地位を築いてきた男が、夢に挑戦する。ことの発端が、同僚の事故死であり、母親の入院でもある。それら背中を押すきっかけがあるにせよ、なかなかできることではない。安定した生活を捨て、田舎の電車の運転手となる。何が幸せかというのを問われるような本作。エリートサラリーマンとして日々忙しく働くのが幸せなのか。人の価値観はいろいろとあるが、本作を見た中年サラリーマンたちは、どう感じるのだろうか。家族や生活のことを考えると、誰もができる決断ではない。ただ、熱い男のロマンというのを感じずにはいられない。

筒井肇の役を中井貴一が好演している。ある面では冷酷非道なエリートの顔を持ち、ひとたび決断するとそこからすぐに夢を追いかける。プライドも何もない、純粋に電車の運転手になりたいという思いが、画面から伝わってきた。中年オヤジが若者に交じって研修を受けるなど、エリートサラリーマンであればなおさら屈辱だろう。そんなことはいっさい感じさせず、ただ真剣に研修を受けるその姿はすばらしい。電車を運転することが本当に好きなのだなぁと思わせる雰囲気が、筒井肇の表情からにじみでていた。

肇だけがすばらしいのではなく、その妻や娘の存在も忘れてはならない。エリート会社員の立場を捨てたことに対して、文句を言うわけでもない。一時は危ぶまれた夫婦関係であっても、修復している。夢を追いかける男というのはカッコいいかもしれないが、現実路線の女たちからすると、迷惑に感じるのが普通だろう。何かに熱くなるのは簡単だが、そのあとすべてがうまくいくのはマレかもしれない。当然裏では家族や周りの支えがあってこそなのだろう。

中年サラリーマンには、ぜひとも見てもらいたい作品だ。



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