南極料理人


 2012.2.29  夜中に見るべからず 【南極料理人】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
本作を夜中に見るのは危険だ。まるでホラー映画の注意事項のようだが、間違いない。この注意を無視して夜中に見ると、たちまち腹が減ってきて、我慢できずに夜中にドカ食いしてしまうだろう。それだけ魅力的な食事シーンがまんさいだ。物語はただ南極観測隊が僻地で食事をするとういだけの物語なのだが、妙にうまそうに食事をするので、我慢ができない。南極の僻地で刺身やてんぷらが普通に食べられることに驚くのだが、食事シーンのすばらしさにすべてが吹き飛んでしまう。生活環境はとんでもなくストレスはたまり続けるだろう。ただ、こんな食事がでるのなら、期間限定で行ってみてもいいかなぁと思わせるパワーがある。

■ストーリー

西村(堺雅人)は、ドームふじ基地へ南極観測隊の料理人としてやってきた。限られた生活の中で、食事は別格の楽しみ。手間ひまかけて作った料理を食べて、みんなの顔がほころぶのを見る瞬間はたまらない。しかし、日本には妻と8歳の娘と生まれたばかりの息子が待っている。これから約1年半、14,000km彼方の家族を思う日々がはじまる・・・・・・。

■感想
1年半ものあいだ、家族と別れ南極観測隊として南極で生活する。基地の中ではむさくるしい男ばかりの生活が続く。娯楽といえばマンガを読むか、酒を飲むか、たまに家族へ電話をするか。そんな環境であっても、人は食事をしなければならない。人が生きるために必要な食に関して、本作は人の食欲中枢をいちじるしく刺激する描き方で食事シーンを描いている。まず冒頭、いきなり新鮮な刺身とカラリと揚ったてんぷら、そしてうまそうなブリの照り焼きが登場する。南極でなぜ?と思うが、それだけ食料事情も良くなっているようだ。

基地内では、くだらないいざこざがあったり、誰かの誕生日を祝ったりとそれなりに変化はある。が、そんなことはどうでもいい。基本的にはうまそうな食事シーンしか覚えていない。たとえそれが味噌汁とおにぎりだけだったとしても、炊き立てのご飯で、いくらや鮭を具に作られたおにぎりを両手に掴みうまそうに口いっぱいにほおばるのは、たまらない。ただのおにぎりのはずが、男たちが必死に口に運ぶシーンを見ていると、否が応でも極上なおにぎりを食べたくなる。

家族からないがしろにされた料理人が、僻地の料理人として腕をふるう。この料理人が堺雅人ということで、にやけ顔で淡々と料理をするのがものすごく絵になる。食にこだわりがあるようだが、それを声高に主張するのではなく、すべてを穏便にすましながら料理をする。豪華なステーキや、極めつけはすばらしくうまそうな手打ちラーメンを作る。ただの醤油ラーメンを目の前にして、むさくるしい男たちが目をキラキラと輝かす。料理人の半ニヤケ顔が一番さまになっている場面かもしれない。

本作を見ると確実に腹が減る。ダイエット中の人は見るべきではない。



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