ナイト&デイ


 2013.1.13    思いもよらないコメディ色 【ナイト&デイ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
激しいアクションあり、予測不能な展開あり、ユーモアあり。凄腕エージェントであるロイが何者かに狙われ、それに巻き込まれるジェーン。ロイがジェーンを危険から守るために、薬で眠らせ、安全な場所へ移動させる。このくだりが何度かあるが、面白すぎる。ジェーンは薬で朦朧とした意識の中で、うつろな表情でロイの活躍をかすかに目撃し、気付けば安全な場所にいる。めちゃくちゃなロイだが、銃弾が飛び交う中でも笑顔でジェーンに冗談をふりまく。なんだかわからないが、ロイがスーパーマンであることはわかる。ジェーン目線で、どんなピンチに陥ったとしても、ロイが笑顔で救出してくれる。とんでもなく頼りになる男だが、絶対に一緒に行動したくないタイプだ。

■ストーリー

平凡な女性ジューンが空港で出会った、とびきり笑顔が素敵な男性ロイ。しかし、恋の予感は一瞬にして怒涛のパニックへと変わり、ジューンは嵐のような大事件に巻き込まれていく。ミステリアスなロイの背後には、巨大な陰謀の影が……。しかも、この予測不能で危険なロイと行動を共にすることだけが、ジューンに残された生き延びる方法だった ――

■感想
巨大な組織に狙われるロイ。ジェーン目線で語られる物語は、ロイのミステリアスな部分が強調されている。かと思えば、変にユーモア満天な場面もある。ジェーンとロイが敵に捕まり、ジェーンだけが薬で眠らされる。目が覚めると、逆さ吊りにされ拷問を受けるロイ。にもかかわらず、笑顔で助け出すと語る。どんな窮地に立たされたとしても、必ずや事態を打開してしまうたくましさはあるのだが、どのようにしてピンチから脱出したのかが描かれていない。ダイジェスト的に、なんらかの激しい戦いはありそうだが、気付いたら安全な場所にいる。このスピード感がやけに笑えてくる。

ロイの正体不明感が、物語を面白いものにしている。ジェーンが若く美しい絶世の美女というわけではなく、年齢的に微妙な女性というのが良い。ロイがいかにも男くさいハードボイルドタイプではなく、トム・クルーズが優男風なのがさらに良い。フェミニスト的でありながら、ジェーンを抱きよせ激しいカーチェイスを繰り返す。突然無人島に行ったかと思うと、ヘリで脱出しようとしたり。なんだかロイがあまりになんでもできすぎるため、逆にギャグのようにすら感じてしまう。

本作は基本的にはコメディといって良いだろう。激しいアクションの中にも、どこかコメディの要素がある。あまりにロイが超人すぎて、ロイのアクションすべてがアニメというかマンガというか、リアル感がまったくない。そう感じるのは、アクションの最中に、ロイが真っ白い歯を見せてにこやかな表情をジェーンに向けるからだ。頭の上を銃弾が飛び交い、走る車のボンネットにつかまったまま、笑顔でジェーンに語りかける。そんな悠長なこと言っている場合じゃないだろう!と誰もが思うが、ロイは平然と危機から脱出してしまう。

激しいアクションの面白さは当然として、コメディチックな流れがかなり良い。



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