マザー・テレサ


 2011.9.11  実話を映画化する意義 【マザー・テレサ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
子どものころ、伝記として少し読んだ程度で、マザー・テレサについてはほとんど知らなかった。本作を見て、やはり衝撃を受けずにはいられない。すべての貧しい人に対して平等に愛をそそいだ人物。ノーベル平和賞を受賞したことも知らず、97年まで生きていたことも知らなかった。インドのカルカッタからスタートした貧しい人を救う活動が、最終的にはとんでもない規模にまで広がり、多くの人々を救う。ハンセン病患者を救ったというイメージがあったが、実はそれ以外にも偉大な功績はいくつもある。ここまで人々の救済に力をそそぐことは、並大抵のことではない。少し方向を間違えれば、インチキ宗教になりかねないが、マザーテレサの確固たる信念によって、すばらしい成果を残している。

■ストーリー

ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサの生涯に迫る伝記ドラマ。修道院での活動に限界を感じたテレサは新教会を設立し、困難を乗り越え人々の救済に力を尽くす。

■感想
マザー・テレサについて良く知らない人は、本作を見ることですんなりと理解でき、その活動に驚き感動することだろう。お決まりどおりの貧しい人々を救う活動ではない。自分たちの生活を切り詰めてでも、人々を救うことを考える真の活動家なのだろう。良くチャリティー番組などで募金を集めることがあるが、その出演者たちも、本当の意味でのチャリティーならば、出演料はすべて募金するはずだ。本作では、マザー・テレサの言葉を聞くと、本当の意味での貧しい人を救う活動をしているのだと思わずにはいられない。

数々の困難を乗り越え、活動していく中で、組織が大きくなればそれなりの設備が整うことになる。そのことについて、マザー・テレサが嘆いていたのが一番印象的だ。3ドルの水を用意するなら、その3ドルを寄付にまわせば子どもが一人小学校に通えることになる。自分のことは二の次で、貧困に苦しむ人々を救うことだけを考え続ける。ごく普通の思考ではたどり着けない、悟りを開いたような心境なのかもしれない。こうやって映画作品で見ると、偉人のすさまじさが直接伝わってくる。

偉人といえば、はるか昔に死んだ人というイメージがあったが、実はマザー・テレサは97年まで生きていたということに驚いた。ノーベル平和賞を受賞していたというのも知らなかった。本作によってより広く一般人に知れ渡ったのだろう。当然実話ベースだろうし、演じる俳優たちの演技もすばらしい。実話を映画作品にする意義は、本作のような作品にこそあるのかもしれない。子どもたちに見せたとしても驚き、感動することだろう。

へたな道徳の授業よりも、本作を子どもたちに見せた方がいいだろう。



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