ライフ・オブ・デビッド・ゲイル


 2012.2.1  まさかの展開 【ライフ・オブ・デビッド・ゲイル】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
死刑反対運動に参加していた元大学教授が、死刑判決を受ける。死刑執行まで3日となった日からスタートする本作。ゲイルの独白から始まり、回想形式で有名教授だったゲイルが、どのようにして今の境遇になったのかが語られる。ゲイルの不運な境遇と、無実の罪をきせられているという流れ。観衆は、ゲイルが本当に事件を起こしたのかどうなのかばかりに気をとられてしまう。物語は、ゲイル無実の方向へと動く。ゲイルの話を聞いた記者が独自に調査を進めるが、はっきりとした証拠はでない。この流れであれば、ギリギリ無実を証明したが、実はゲイルは本当に事件を起こしていたというオチを想像していたが…。衝撃的な結末がまっていた。まさかこの流れになるとは思いもよらなかった。

■ストーリー

同僚の女性を殺した罪で死刑宣告を受けた元大学教授。死刑執行まで3日となったとき、彼は手記を書いてもらうために記者と面会する。話を聞く記者は、彼の無実を確信し、死刑判決を覆そうとするが…。

■感想
死刑制度に反対していた元教授が、罪を犯し死刑執行される。いかにも皮肉な展開で、何か裏がありそうな香りがぷんぷんしてくる。前半は、ゲイルが落ちていく過程が描かれるのだが、気の毒でしかない。不運という言葉は言い訳でしかないだろうが、坂道を転がるように人生のレールからはかんたんに転落してしまう。アル中となり自暴自棄になったゲイルが犯罪を犯すのは、ありうることだというイメージを植えつけている。ゲイルを演じるのがケビン・スペイシーということで、どうしても正義のイメージがあるが、それを逆手にとった悪の雰囲気をチラリと感じ取ってしまう。

ゲイルの話を聞き、記者は独自の調査を続ける。そこで、新たな真実が浮かび上がり、無実なのかそれとも、という観衆を困惑させる要素が増えてくる。記者たちのあとをつける謎のカウボーイの存在や、世論の後押しなどから、死刑は規定路線となりつつある。とはいっても、最後の最後でゲイルの無実を証明する証拠が、タイムアップギリギリに見つかるのだろうと思っていた。終盤ではそれに近いようなビデオテープの存在すら明らかとなった。これはギリギリ助かるのだろうと思いきや…。まさかの展開となる。

巧みな伏線と、ゲイルが死刑制度に反対していたという前フリが利いている。ラストの流れはまさに想像を絶する展開だ。すべてが決着したあとに、記者のもとにひとつのビデオテープが届く。おぼろげながら想像していたが、まさか本当にそのオチになるとは思わなかった。思い返せば、ゲイルはそれらしい発言をしていたかもしれない。ただ、その段階でこのオチは絶対に想像できないだろう。なぜ死刑執行3日前に突然記者に話をする気になったのか。すべてが計算されつくしてのことだったのだ。

想像外のオチだったので、衝撃度はかなりのものだ。



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