コンフェッション


 2011.8.13  センスを感じる作品だ 【コンフェッション】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
これが実話をベースにした作品というのが、何より一番驚いた。告白本を元にしたサスペンスらしいが、本当にこんなことが現実にあったのかと思ってしまう。物語が一部ユーモアを強調しているので、どうしてもシリアスさを感じない。しかし、そんな中でも、裏の世界の容赦なさと、表の世界での苦労などが絶妙にマッチしており、物語を面白くしている。合間には、まさかのブラピが登場したりと、監督がジョージ・クルーニーだということを思い出させる場面が多数ある。豪華な出演者と、脚本もそれなりにすばらしく、素材もよい。山あり谷ありで観衆をしっかりとひきつけている。ラストの場面では、印象的なセリフもありで、娯楽映画としてはすべての要素を満たしているのではないだろうか。

■ストーリー

70年代に一世を風靡したチャック・バリスが秘密工作員をしていたという真偽不明の告白本を基にしたサスペンスドラマ。TV局への企画の売込みに失敗したチャックに謎の男・ジムが接触し、裏の世界へ引きずり込んでいく。

■感想
これが実話というのが信じられない。TVプロデューサーということで、番組作りや、出演者との絡みも面白く、信じられないようなアイデアだしをしている。特に笑いがでるのは、恋人探しの場面で、ブラピがオタク系のおデブちゃんに負け、選ばれないという場面だ。CIAの工作員という裏の顔とTVプロデューサーという表の顔があまりに違いすぎるのと、場面展開がすべて表の顔のユーモラスな部分にとられているというのが印象的だ。普通ならば、すべてがお笑いになってしまうところを、絶妙な加減でシリアス要素を増やしているのがすばらしい。

実話を実話と感じさせない面白さがある。どこまでが実話なのかわからないが、告白本自体がもしかしたら眉唾ものなのかもしれない。これほど面白く波乱万丈な人生を過ごしていたとしたら、とんでもない人物ということになる。秘密工作員の連絡要員として登場するジュリアロバーツだったり、恋人として登場するドリューバリモアだったり、豪華な出演者たちを効果的に使い、全体をコメディっぽくしておきながらも、最後にはシリアス調に戻る。このスピード感も面白さを持続する秘訣なのかもしれない。

ところどころに印象的なセリフがある。それは番組作りでチャックがつぶやく言葉だ。特に最後の番組のアイデアとして登場したものはすさまじい。自分の境遇を考えてでたセリフなのだろう。告白本の類がどこまで真実かわからないが、間違いなく最後のセリフで真実味が増したような気がした。ジョージ・クルーニーの初監督作品らしいが、監督としての才能はあるのだろう。出演者に助けられたというのもあるが、センスを感じる作品であることは間違いない。良い素材を自分の味付けでしっかりと料理できる監督はすばらしい。

本作のユーモアとシリアスのバランスがすばらしい。



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