孤高のメス


 2011.11.24  このキャラクターはすばらしい 【孤高のメス】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
出世や保身や見栄など関係なく、ただ患者のためだけに尽くす外科医。言葉で表現するとそうなるが、この当麻という医者のキャラクターの良さは、見ないとわからないだろう。原作は未読だが、堤真一がとんでもなくはまり役のように思えてくる。どこかとぼけた返答をしながら、技術に裏打ちされたオペで患者を助ける。この手の名医の物語では、気難しい天才肌の医者というのをよく見るが、本作のようにほのぼのとし、無欲だが患者のことを第一に考える医者というのは、ものすごく好感がもてる。臓器移植がタブーであったころの物語をドラマチックに描き、周りの医者や看護婦たちをたちまち巻き込むそのほんわかとした雰囲気というのは、心に残る。

■ストーリー

見栄と体裁を気に掛け、簡単な手術すら行われない地方病院に赴任した外科医・当麻鉄彦。彼は「目の前の患者を救いたい」という信念の下、次々とオペを成功させ、人々の心を動かしていく。

■感想
物語はある程度型にはまっている。出世や保身や見栄ばかりを気にする医者の派閥と、それとは正反対の医療を続ける外科医の当麻。凄腕外科医でありながら、欲がなく、ただ患者を助けるという目的だけに邁進する男。ぼんやりとしてはいるが、周りからはその人柄と技術のすばらしさから、あっという間に仲間を増やしていく。悪い医者グループと、良い医者グループというようにわかりやすい図式ができあがり、危機に陥ったときには、周りのサポートと当麻の技術ですべてを乗り切ってしまう。キャラクターと俳優たちの演技でわかりやすさに拍車がかかっている。

臓器移植がタブーな時期の物語であり、そこから流れは臓器移植が必須となる。こうなると、ある程度結末は見えてくるが、それでもワクワクしながら見てしまう。ひたすら保身に走る医者もいれば、自分のことよりも患者のことを考える当麻がいる。最初はやる気のなかった看護婦が、変わっていき、若い医者も当麻に刺激を受ける。ひとりの外科医を中心に、物語が山あり谷ありしながらも良い方向へ進んでいくのは、見ていて心地良い。架空の人物だとはわかっているが、こんな医者がいたらなぁとシミジミ思ってしまう。

物語は勧善懲悪となる。悪い医者たちはそれなりの報いを受け、当麻は自分の職務をまっとうする。欲のない純粋な当麻というキャラクターを堤真一が演じているのだが、これ以上ないほどのはまり役だ。ただぼんやりしているだけでなく、オペになれば真剣な目つきでメスをふるい、ひとたびプライベートな時間になれば、ちょっととぼけた返答をしたりもする。すべてが完璧な人間というのでは、観衆は共感しないだろう。このキャラクターがあればこそ、物語が成立するといっても過言ではない。

原作にも興味がわいてきた。



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