インビクタス/負けざる者たち


 2012.8.1   マンデラのすばらしさ 【インビクタス/負けざる者たち】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
歴史的事実をドラマチックに描いた作品。南アフリカの歴史的事実や、ラグビー代表チームの関係など、ほとんど知らなかった。名前は聞いたことがあるが、マンデラがどのような人物で、何を成し遂げたのかはよくわかっていない。そんな人でも、マンデラのすばらしさがはっきりと理解できるだろう。黒人と白人の対立関係や、アパルトヘイトのことなど、日本人にとってはほとんど対岸の火事でしかない。そんな歴史的な出来事を、映画をとおして学ぶことができるのはすばらしい。内情はどうあれ、物語の結末がまさに映画向きな結果となっていることも、感動させる要因のひとつなのだろう。フィクションであれば、これほどの感動は得られない。

■ストーリー

それは、1995年のこと。マンデラはラグビーのワールドカップで、国の恥とまで言われた南ア代表チームを初出場初優勝へと導いた。そして、その勝利の瞬間、一国の歴史が永遠に変わってしまったのだ。いったい彼はどうやって、この偉業を成し遂げたのか――?

■感想
マンデラにどんな功績があるのか、事細かに説明できる人には、本作にそれほど感銘をうけないだろう。おそらく、多くの人がマンデラについてそれほど深くは知っていないだろう。黒人を解放した人物。その裏ではどのような駆け引きがあり、代表のラグビーチームとどのような関係があったのか。人種的な問題というのは、日本人にとってはほとんど馴染みがない。そのため、白人中心で構成された代表チームを黒人たちは応援せず、対戦相手を応援するという気持ちもよくわからない。それは、日本人には感じることのできない感覚なのだろう。

ラグビーワールドカップで南アフリカがどのような位置づけにあるのかよくわかっていない。そのため、ワールドカップで優勝することがどれだけすごいのかも、想像するしかない。そのあたり、物語として圧倒的な強さをほこるオールブラックスの存在や、最初に負け続ける南アフリカ代表チームを描くなどして、誰もが理解できる流れになっている。白人中心のチームのまま、ワールドカップに突入し、そして、結果をだそうとする。マンデラの戦略というのが、人をひきつける何かであることは間違いない。

ラストの展開は、フィクションかと思えるほどできすぎている。苦難に満ちた道ながら、目標を達成する感動。黒人と白人が対立してきた南アフリカで、代表ラグビーチームがすべてを受け入れたような勝ち方をする。全国民の応援があったからこそ、勝つことができたというキャプテンの言葉は感動しかない。モーガンフリーマンの味のある演技がひかり、マンデラという大統領をこれ以上なく魅力的な人物に仕上げている。マッドデイモンは、良い役だとは思うが、別にマッドデイモンでなくても良いキャラクターなのは、すこし残念かもしれない。

歴史的事実が物語る、奇跡の出来事を映画化している。



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