インセプション


 2012.9.11    すばらしい映像とストーリー 【インセプション】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
夢の中に入り込み、他人のアイデアを盗み出す。実際の夢の原理についてはおいといて、相手の夢の中に入り込むという発想はよくあるパターンだ。そこから、現実の5分が夢の1時間という、時間の差が本作の重要なポイントとなる。映像的なインパクトはすさまじい。映像だけでなく、ストーリーもよく練りこまれている。夢の中で、さらに夢に入り込む。夢の奥深くに入り込むリスクがさらなる緊迫感を与えている。当初は、夢の中で死ねば現実に戻るという流れだった。それが、夢の奥深くへ入るため、夢から脱出する方法はひとつしかない。たくみな制約条件で、ゴブのチームたちは危機に陥ることになる。映像とストーリー、どちらもすばらしい作品だ。

■ストーリー

ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、人が一番無防備になる状態―夢に入っている時に潜在意識の奥底まで潜り込み、他人のアイデアを盗み出すという、危険極まりない犯罪分野において最高の技術を持つスペシャリストである。コブが備えもつ類稀な才能はこの業界でトップレベルであり、裏切りに満ちた企業スパイの世界において引っ張りだこの存在となっていた。だがその才能ゆえ、彼は最愛のものを失い、国際指名手配犯となってしまう。

■感想
冒頭、年老いたサイトウとゴブのやりとりから始まる。なぜサイトウは年老いているのか。その意味は最後にわかる。夢の中に入り込むというのは、映画としてはよくあるパターンかもしれない。古くはマトリックスなどで使い古されたネタだ。本作では、自由に構築できる夢の世界を、映像的なインパクトで表現している。マトリックスとはまた違った、現実的ではあるが、夢らしさがある映像だ。夢を見ている人間の状況が、そのまま夢の世界に反映されるのが面白い。現実で水に入れば、夢の世界も水浸しとなる。

夢の世界から、さらに夢の世界へ入り込む。何階層も奥深くの夢の世界。そのことにより、潜在意識に隠された秘密を暴き、記憶を植えつけることができる。深い夢の世界に入るために、薬を使い、そのせいで夢の世界で殺されても目が覚めず、そのまま虚無の世界へと落ちてしまう。順調に思われたプロジェクトに、落とし穴がある。アクションはこのさいどうでもいいのだが、夢を見ている人物の状態に激しく影響される世界。そして、現実と夢の時間差。この二つの要素が物語りに緊張感と面白さを付け加えている。

ラストでは、なんだか爽やかな余韻を残している。夢の奥深くで、死が目前に迫ったサイトウ。そして、ひとり夢の中に残るゴブ。冒頭の意味がここではっきりと理解でき、あらためて、現実と夢の世界の時間の差を感じずにはいられない瞬間となる。夢の世界に入り込むことや、人の潜在意識にアクセスすることの仕組みについて細かく語られているが、それはこじつけでしかない。瞬間を切り取ったような映像のすばらしさと、それを利用し、夢をコントロールしようとする男たち。映像とストーリーが相互に良い意味で補完し合っている。

映像ばかりがクローズアップされがちだが、内容も良い。



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