ゴーン・ベイビー・ゴーン


 2013.7.9      何が正しいのか… 【ゴーン・ベイビー・ゴーン】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
私立探偵が少女の誘拐事件を調査する。いきなり始まり、私立探偵の二人についてまったく情報がないまま、物語が進んでいく。パトリックとアンジーのコンビは何やらいろいろと人脈があり、アウトローの世界ではそれなりに顔が知れているというのがわかる。この手の物語では、主役の探偵にどのような実力があるかが一番の肝だろう。

今回は、胡散臭くはあるが、警察と協力して少女誘拐事件を捜査するなど、最初から探偵としての力よりも、周りを使うすごさというのをアピールしている。その後、進んでいく物語としては強烈なインパクトがある。二転三転する流れ。最後には、何が正しいのかわからないが、報道や世の中の流れが間違っていると主張したいような終わり方となっている。

■ストーリー

下層階級が住む小さな街で起こった4歳の少女誘拐事件の捜査を依頼された私立探偵・パトリックとアンジー。だが事件の裏には予想を越えた深い闇が広がっていた…。

■感想
少女誘拐事件を調査するパトリックとアンジー。まずこの二人が何者かよくわからない。いきなり始まるので、もしかしたらシリーズものかと思うほどキャラ紹介も特になく、突然始まるような感じだ。探偵の二人が、刑事と協力し事件を解決しようとする。

このあたり、ステレオタイプの探偵では、警察とは水と油の関係のはずだ。が、警察も探偵に負けず個性豊かで、いかにも何かしら裏で悪事を働いていそうな顔つきをしている。なんだか若造の探偵よりも、警察の方が個性的で魅力がある。

事件は二転三転する。犯人が見つかったかと思いきや、実は裏で暗躍していた者の存在が明らかとなる。それに気づく探偵。どことなく、昔懐かしの「羊たちの沈黙」風な場面がある。恐らくかなり意識はしているはずだ。

陰惨で残酷な場面あり、仲間が銃で撃たれる場面あり。精神的に辛くなるような場面もある。特に、小さな子供を持つ親からすると、誘拐事件というのもあるが、衝撃的な場面が多々ある。これら衝撃的場面は、探偵の行動の正当性を強めるためには必要なのだろうが、それでも見ている側からすると強烈すぎる。

ラストは非常に印象に残る流れだ。少女を誘拐された母親はマスコミの前に立ち、少女の帰りを待つ。結果として、その母親は悲劇のヒロインとなる。世間は子供を奪われた母親に対しては無条件にすべての同情を集める。たとえ母親がどんな人物であってもそれは変わらない。子供の幸せを一番に考えるべきか。それとも…。

探偵の葛藤というのは、伝わってくる。そして、恐らく多くの人が考えるように、探偵の行動は間違っているのだろう。単純に私立探偵が活躍するミステリーかと思いきや、ラストの流れが物語を奥深いものにしている。

ラストの探偵の行動が物語を意味深にしている。



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