エニグマ


 2011.1.19  まるでスパイ映画だ 【エニグマ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ドイツ軍の暗号機エニグマがすごい。暗号の仕組みについてそれなりに説明されている。アナログ的でありながら仕組みがすばらしい。その暗号を解明しようと必死になるジェリコやその仲間たちの暗号に対するスタンスも強烈だ。ジェリコの恋人が失踪することから物語は始まり、ジェリコの回想を交えながら切羽詰った状況で暗号を解読しようとする。演出的にはスリリングさを高めるために、ギリギリの状況をつくりだしている。歴史的事実を交えながら、ドイツ軍のUボードからの発信をどのようにして解読していくのか。パズル的な面白さもありながら、ミステリーの要素が強い。どちらかといえばスパイ映画のような感じだろうか。

■ストーリー

恋人に捨てられ神経衰弱となった天才数学者・ジェリコが、ドイツ軍の暗号機・エニグマと失踪した元恋人の謎を追ううちに本来の天才的なひらめきを取り戻していく。

■感想
天才数学者が神経衰弱状態となり職務から離れる。その後、復帰すると破ったはずの暗号が復活している…。ミステリーの要素としては、元恋人が失踪した理由や何を探していたのかという部分だ。最初はこのあたりにたいして興味を見出せなかったが、物語が進むにつれて暗号との絡みが見えると興味がわいてくる。まず暗号の仕組みが面白い。一つの文字を暗号化するにしても、エニグマをとおして暗号化すると、同じ文字でも一回目と二回目では変化する文字が違うという。これはかなり特殊で、注目せざるお得ない。

ジェリコの心が病んだ原因が、ジェリコの回想形式で語られている。そこから変化していく物語は、ジェリコと失踪した元彼女のルームメイトとの行動になる。さえない女という役をケイト・ウィンスレットが熱演し、いい味をだしている。ジェリコが頭の中で考えた推理を二人で実行するあたり、かなり無茶な行動だとは思うが、このあたりが観衆をハラハラドキドキとさせている。エニグマとそれに関する様々な利害関係者たち。オチとしてはかなり驚く結果かもしれない。それほど主要メンバーでない者が鍵を握っているため、普通では気付かないだろう。

Uボートから発信される暗号を解読する部分がもう一つのメインとなっているが、非常に緊迫感あふれた場面だ。Uボートから発信される暗号をヒントに鍵を探しだすのだが、そのために何隻もの味方の船が沈んでいくことになる。大きな犠牲をはらい暗号を解読する。実際に起こった出来事なのだろうが、かなりショッキングだ。さらにはカティンの森事件も大きく関係しているとなると、ミステリーとしての興味は増していく。このあたりの歴史的事実を知っていればさらに楽しめることだろう。

暗号を扱うとどうしてもスパイ映画のような雰囲気になってしまう。



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