映画は映画だ


 2011.12.8  あふれる男臭さ 【映画は映画だ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
男のかっこよさが画面上から溢れている。暴力的な俳優と、俳優になりたかったヤクザ。この二人が競演することにより、二人の魅力が倍増されている。俳優界ではダントツの暴力であっても、本職からすればたいしたことはない。ヤクザ対俳優という対決描写が、いつの間にか戦友となり、協力して良い映画を作ろうとする。ヤクザ側では、本業での問題が多々あり、俳優側は、スキャンダルに頭を悩ます。明るく楽しい、前向きになれる映画ではない。男のための男による男の映画というように、終始男臭さが充満している。激しい暴力描写あり、残酷すぎて目を背けたくなるような場面ありで、イケメン俳優が演じてはいるが、女性が楽しむには少し厳しい作品かもしれない。

■ストーリー

映画スターとヤクザの対照的な2人の男が繰り広げる熱きドラマ。気性が激しい俳優スタは、映画の撮影に熱が入るあまり、次々と共演者を病院送りにしてしまう。そんな彼の相手役を引き受けるものなど誰もいない。困った彼は偶然出会ったヤクザのガンペに相手役を頼み込む。俳優の夢を捨てきれずにいたガンペは、出演する代わりにある条件を出すが…。

■感想
男たちが暴力にまみれ、苦悩する場面が印象深い。いかにも韓国映画らしい作品だ。イケメン俳優が主演なのだが、そのイケメン具合を前面に押し出すのではなく、あくまでも男臭さで勝負している。短気で暴力的な俳優と、俳優になりたかったヤクザ。ひょんなことから、二人は競演することになり、暴力にまみれた映画撮影が始まる。全体の雰囲気は暗くどんよりとしている。何か幸せを求めて行動するのではなく、先の見えない暗闇へと突っ込んでいくような、そんな生き急ぎ感がある。

激しい暴力描写とイケメン俳優の活躍は、もはや韓国映画の定番といっていいのかもしれない。俳優のスタとヤクザのガンペのキャラクターもわかりやすい。スタは女を都合の良い道具とみており、人間的にも欠陥だらけだが、人気があり仕事にもプライドをもっている。一方、ガンペは冷酷非道な面をもちながら、仲間や部下には優しい面を見せたりもする。この二人の男が、強烈な暴力とインパクトを残している。巻き込まれる女たちは、散々な目にあいながらも、二人から離れることができない。まさに、強烈なほど男目線の作品だ。

イケメン二人がボロボロになりながら戦うシーンが、本作の一番の見所だろう。撮影ということを忘れているのではないかと思うほどの真剣具合だ。映画という舞台があるにせよ、結局はこの二人の男の究極の友情物語なのかもしれない。ラストシーンの状況を見ると、ガンペは結局はヤクザのまま、スタだけが勝手にガンペに仲間意識をもっていただけなのかもしれない。暴力にまみれ、自分たちの好きなように暴れまわる映画なので、女性が見るともしかしたら不快に感じるかもしれない。

男のための映画だ。



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