ボビーZ


 2011.12.28  あふれでる爽快感 【ボビーZ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
元海兵隊員の囚人が、釈放の条件として麻薬王のフリをする。いくら顔が似てるからといって、そうかんたんに麻薬王になりきれるか微妙だが、周りはあっさりと信じてしまう。囚人のティムが逃げ出した原因は、服役中に問題をおこしてギャングから追われたからだ。そこへ、麻薬王として追われる身となり、逃げ出したために捜査官からも追われることになる。この三者から追われるドタバタ感と、麻薬王ボビーZのふりをしていることに気付く人々など、いくつもの思惑がからみ、事態は複雑な方向へと流れていく。ボビーZのふりをする理由が曖昧で、その後の捜査官の行動に違和感があったのだが、その理由は後半に判明する。まさかの本物ボビーZの登場で、物語はクライマックスを迎える。

■ストーリー

元海兵隊員のティムは、トラブルだらけの人生で服役中の身。塀の中でも問題ばかりを起こす彼に、ある囮捜査の話が持ちかけられる。それは、カリフォルニアの伝説男「ボビー・Z」に成りすまし、事件を解決すること。協力することで晴れて自由の身になった彼に次々と襲い掛かる罠と謎。麻薬王、ギャング、捜査官、そして遂には“本物!?”のボビー・Zにも追われる羽目に!「ひとつの人生」を賭けた何でもアリの争奪戦!最後に勝つのは!?

■感想
ティムが麻薬王のフリをする過程では、お決まりどおりボビーZの女と寝ることになる。ハリウッド映画的な面白さで、細かいことは気にせず物語を進める上で必要な要素だけを次々と詰め込んでいく。麻薬王として人質交換に立会い、そこからボビーZの息子と思わしき子どもと出会う。麻薬王ボビーZがあちこちで恨みをかっており、その影響をもろに受けることになるティム。あるときはボビーZとして逃げ回り、またある時は、ティムとしてギャングからも追われることになる。この八方ふさがり状態が面白さをきわだたせている。

子どもと連れ立って逃げるティムに追手が迫る。そこで、麻薬王を追う者たちとティムを追う者たちが同士討ちのような形になる。このあたりは、ティムの都合の良すぎる幸運などもあるが、ワクワクしてくる。ティムが逃げ切れるのは規定路線としても、どのようにして危機を乗り越えていくのかは気になる部分だ。さらには、この複雑な状況の中に、もともとこの自体を計画した捜査官が暗躍する。仲間と思っていた者たちが、実は捜査官と内通していた。誰が味方で誰が敵なのかわからなくなる展開だ。

ラストはハリウッド映画らしい展開となる。すべての鍵を握る捜査官が、ある人物と密会する。それはさすがに衝撃的で、すべての理由が明らかとなる。ミステリー的な驚きというよりも、すっきりとした爽快感だ。最後の最後に麻薬王への追っ手を振り切ったと思いきや、ギャングたちに囲まれてしまう。絶体絶命のピンチに登場する捜査官。その隣には…。あまりに都合の良すぎる展開に笑いすらでてくるが、それらを含めてこの映画の魅力なのだろう。

爽快感にあふれる物語だ。



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