アンブレイカブル


 2013.5.14     ラストの流れがすばらしすぎる 【アンブレイカブル】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
どんな大きな事故に遭遇しようとも、かすり傷一つ負わない男、デヴィッド。荒唐無稽なヒーローモノかと思いきや、最後に驚きの仕掛けが待っている。アメコミヒーローはスーパーマンを筆頭に、普通の人間とは違う、特殊な能力をもっている。そんな特殊能力をもった人間が、本人が気づかないまま存在しているのではないかという物語だ。

自分の力に気づかずに日々の生活を送るデヴィッド。あるひとりの男によって、自分の特殊能力に気づかされることになる。単純にデヴィッドの力を説明する物語として終わるのかと思いきや、正義のヒーローと悪を、まさにアメコミのごとくしっかりと分けている。多数の伏線により、深く楽しめる作品だ。

■ストーリー

M.ナイト・シャマラン監督とブルース・ウィリスが再びコンビを組んだSFサスペンス。131人もの犠牲者を生んだ悲劇的な列車事故において、かすり傷一つ負わなかった主人公・デヴィッド。彼の正体とは…!?

■感想
多くの犠牲を生んだ列車事故で、ただ一人無傷の男がいた。その他にホテルの火災や数々の事故に遭遇しようとも、男は無傷だった。ポイントとして、主人公のデヴィッドが今まで自分の奇跡体験をまったく疑問に思わなかったというのがある。どんな大事故でも無傷。

そんなデヴィッドにある男が近づき、言葉をかける。デヴィッドが自分の奇跡体験に疑問を持ち始めたとき、自分の体の特殊性に気づく。普通に考えるならば、自分が今まで風邪を引いたこともなければ、病気をしたこともないなんて、早い段階で気づくだろうが、デヴィッドはここで気づくことになる。

デヴィッドに注目した男の正体は、生まれつき骨に欠陥があり、ちょっとした衝撃で骨折してしまう男だ。怪しげな風貌と、よくわからないが、それなりにリッチな生活をする男。デヴィッドと正反対の生活を強いられた男が語る物語は、そう簡単に信じることはできない。

物語としては、デヴィッドが特殊能力にだんだんと気づいていき、観衆はその過程をデヴィッドと同じ気分で楽しむことができる。うだつの上がらない男が、実はヒーローだった。おあつらえ向きのパターンだ。

デヴィッドが自分の資質に気づき始めたとき、もうひとつの謎が解ける。それは謎の男の存在だ。最後の仕掛けがなくとも物語は成立する。が、最後の仕掛けがあることで物語にとんでもない深みが増してくる。

デヴィッドが不死身のヒーローだと気づいたきっかけは、大事故に偶然巻き込まれたからだ。では、そのきっかけは本当に偶然なのか…。ヒーローが存在すれば、悪も存在する。物語内では、犯罪を犯す人間を悪と描かれているが、真の悪は別に存在する。作中の伏線が最後に一気に回収される素晴らしい流れだ。

ラストの仕掛けがすごすぎる。



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