2011.3.9 織田裕二のキャラはどうなのか 【アマルフィ 女神の報酬】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
全編オールイタリアロケということで、かなり金をかけているというのはわかった。わりと話題にもなっていたので、それなりに期待したが、期待値を上回るものではなかった。さすがにイタリアロケの雰囲気はすばらしいのだが、結局それだけでミステリーとしての面白さはイマイチだった。主役の黒田のキャラクターもありきたりで、特別な特徴がない。織田祐二は踊る~のようなはじけたキャラの方が向いているのではないだろうか。一つの誘拐事件の陰にかくれ、実はもっと大きな事件がちゃくちゃくと進んでいたというタイプはよくある。そこにどこまで不自然さを感じず、新たな事実に唸らされるか、それが面白さの元だろう。本作では、途中からオチが読めてきたというのもあり、興味を持続できなかった。
■ストーリー
予告された大規模テロから日本人を守るため、ローマに派遣された外交官・黒田。しかし、ほどなくして現地でひとりの日本人少女が失踪する。事件の通訳担当となった黒田は…。
■感想
大作だけに、豪華な出演陣はすばらしいと思う。特に佐藤浩市の最後の熱演はかっこよかった。織田祐二はいつものカッコつけた織田祐二だったので、特別な魅力はない。どうせなら、踊るのようなちょっとお笑いの入ったキャラにしてほしかったが、それは物語のトーンとして無理なのだろう。捜査権限のない外交官がどれだけ捜査に入り込むかというのがポイントなのかもしれないが、外交官だからという印象はない。どんなキャラであっても、この程度の活躍は無理矢理やっていたのではないだろうか。ただ、イタリア警察とのやりとりは面白かった。
イタリアの名所をめぐり、美しい景色のアマルフィにまで足を伸ばす。冒頭の誘拐事件のミステリーは、明らかに異質な雰囲気を漂わせ、何かあるぞという気構えができた。犯人が誰かというのも興味の一つではあるが、誘拐事件と犯人たちの真の目的がどのようにリンクするかも見所だった。本作はそれなりに説得力のあるものだが、ちょっと強引すぎるようにも感じられた。ある大きな目的のため、誘拐事件を起こす。それにしては大掛かりすぎないだろうか。もっとシンプルでうまい方法があるように思えて仕方がなかった。
物語が後半になると、天海祐希のキャラクターがうざく感じてしまう。ある意味、真の目的のためには欠かせない人物なのだが、娘を助けるために我を忘れる母親としての演技がやけに鼻についた。悪くはないのかもしれないが、あまり好きになれなかった。本作に登場するキャラクターの中で一番好感がもてたのは間違いなく佐藤浩市の役柄だ。誘拐事件うんぬんのくだりはどうでも良いとして、最後にしっかりと個性をはっきしているのはすばらしい。キャラ的には織田祐二の黒田を楽にこえていただろう。
大作で安心して見ることはできるが、熱中はしない。
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