96時間


 2013.4.23     まるで現代版ランボーだ 【96時間】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
政府の元工作員が、娘を救出するために単身敵地へ乗り込む。たった一人で敵地へ乗り込むという無茶な状況もさることながら、ブライアンの圧倒的な強さにしびれてしまう。どのような状況であっても、臨機応変に対応し、ひとりで多数の敵を圧倒する。誘拐された娘を探し出すための手順がすばらしくあざやかで、96時間というタイムリミットの中で、緊迫感あふれる戦いを繰り広げている。

ひとりの人間が、これほどまでに他者を圧倒できるのか。物語的に、絶対にブライアンがやられることはないとわかってはいても、どのようにしてこの窮地を脱出するのか、その興味がつきることはない。あえて言うなら、ランボーの現代版というような感じか。

■ストーリー

18歳のアメリカ人少女キムが、初めての海外旅行で訪れたパリで何者かに誘拐された。偶然にもその事件のさなかにキムと携帯電話で話していた父親ブライアンは、命よりも大切な娘を襲った悪夢のような出来事に、ずたずたに胸を引き裂かれる思いを味わう。

しかし、政府の元工作員として幾多の修羅場を潜り抜けてきた彼は、冷静さを失ってはいなかった。追跡可能なタイムリミットは96時間! 異国の極悪犯罪組織に娘を奪われた父親は、自らの手で奪還すべく迷わず闇の世界へ飛び込んでいった!

■感想
96時間以内に娘を見つけ出す。少ない手がかりから、敵を見つけ出すまでの手際がすばらしい。周りの助けが多少あるにしても、元工作員としての裏付けされた特殊技術を駆使し、どのようなピンチにも臆することなく立ち向かっていく。

強烈に印象に残っているのは、ひとりで何もかも準備し、敵の真っただ中へ突入するところだ。どれだけ技術や能力があるにせよ、ひとりで立ち向かうのは無謀に思えてならないが、そんな状況を打破してしまう勢いがすばらしい。

ブライアンの戦闘能力の高さが本作のポイントのひとつだが、もう一つ欠かせない材料がある。それは冷酷非道な面だ。娘を助け出すためならなんでもする。たとえ昔の仕事仲間だとしても、少しの情けもかけない。

娘を助けるために必死になるというのはわかるが、あまりにもあっさりと敵を倒し続け、いっさいの情けなしに相手を殲滅していく。この強烈な個性が、ブライアンの必死さを増大させ、なおかつ危機的状況だということを表現している。強すぎると興ざめしてしまうが、この冷酷非道な感覚が物語を熱くしている。

ブライアンがどれだけ暴れまわったとしても、警察に捕まることはない。そのあたりは、ブライアンの特殊な技能によってすべてを回避するのだろう。が、ことが大きくなり、ただではすまない状況であっても、最後にはあっさりと飛行機に乗ってアメリカに帰り着く。このあたり、後日談はかなりはしょられている。

元政府の工作員が異国の地で暴れまわり、それなりに力のある者を始末したとしたら、なんだか状況的に悪いイメージしかないのだが、あっさりと帰り着く。物語のメインはあくまでもブライアンの強さを表現したいのだろう。

ジャングルから都会のど真ん中に舞台をうつしたランボーのようだ。



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