誘拐犯


 2010.3.24  はちゃめちゃなアウトロー二人組 【誘拐犯】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
アウトローたちが身代金目当てに誘拐を引き起こす。妊婦のおなかの中にいる子供に価値があり、生まれる前の子供をめぐってそれぞれの思惑が交錯する。ただのアウトロー二人組みかと思いきや、やけに強力な武器を持っていたり、本職のボディーガードたちや殺し屋たちと対等以上にわたりあっている。お決まりどおり、すんなりと誘拐されない妊婦。そして、妊婦自身も誘拐犯やボディーガードたちからも逃げ出そうとする。この複数の利害関係者が交錯する部分は面白い。特に老齢の殺し屋たちがかなりいい味を出している。昔は腕利きの殺し屋だったが、今はただの老人風でありながら、昔を思い出し奮闘する。ラストは定番だが激しい銃撃戦となる。そこでも主役二人はボロボロになりながら生き残る。わかりやすいアクション映画だ。

■ストーリー

2人のアウトローが身代金目当てに大富豪夫婦の子を身籠った代理母を誘拐。だがその夫妻は裏社会を牛耳る実力者で、逆に2人は追われることに…。

■感想
金を手に入れるために妊婦のおなかの中にいる子どもを狙う。身代金をめぐる激しい攻防と共に、様々な利害関係者の思惑が交錯する。すんなりとおなかの子供だけ手に入れたい者。おなかの子供と共に逃げ出し、自分のものにしたいと考える妊婦。身代金だけを手に入れたい者。自分の使命を忘れ、生きがいをなくした元殺し屋。すべての者たちがラストで激しい攻防を繰り広げる。定番的な流れとして、主役二人は決して死ぬことはない。あちこち撃たれながらも、最後までしぶとく生き残る。一方、その他の者たちはあっさりと命を落としていく。わかりやすすぎる展開だ。

ただのアウトローかと思われた二人だが、実は強力な武器を所持し、スナイパーのごとく遠距離からの射撃をしたりもする。命を失いのを恐れないボディーガードや元殺し屋たちを相手にしても、まったく引けをとらない。二人の目的がただ金がほしいだけだとも思えなかった。正義なのか悪なのか、中途半端でキャラクターとしてのインパクトはすくない。それと比べると、老齢の元殺し屋たちはすばらしい存在感を示している。やりがいを失い。ただ、あとは死を待つだけ。そんな老人に、やりがいのある仕事がやってくる。老人の殺し屋集団というのは非常に新鮮さを感じた。

見終わると、ラストの激しい銃撃戦に心を奪われてしまうが、結局すべては裏社会を牛耳る実力者の思うとおりになっている。孤軍奮闘したアウトロー二人は、ボディーガードと元殺し屋集団の一部を始末しただけにとどまっている。結局アウトローは最後まで何も成功せず、骨折り損のくたびれもうけという結末だ。なんだか、このアウトロー二人にふさわしいようなラストと思えて仕方がなかった。楽して大金を得ようなどと考えると、うまくいかない。そこにほんの少しでも、良心的な何かがあれば、結末も変わっていたのだろう。

あれこれ考えるのではなく、アクションを楽しむ映画だ。



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