ゆるみ力 


 2008.10.8  ゆるいが実践するのは難しい 【ゆるみ力】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
仕事だけでなく人生指南も含まれている本作。ゆるみ力というのがはっきりと理解できたわけではないが、参考にできることはかなりある。物事をポジティブに考えることや、人と比較をしないこと。すべて実践できるわけではない。金銭欲や出世欲、人から良く見られたいというのは、わかっていながらも無くすことはできない。すべて本作のような考え方ができたのならば、それはきっと悟りを開いた坊さんのようになるのかもしれない。ただ、自分が常日頃考えていたことや、思っていたことが、実は人生を良くする法則に当てはまっていたことはちょっとうれしかった。なんとなく、自分がほめられているようで、気分がよかった。

■ストーリー

あなた本来の姿(能力)は力を抜いた自然体から。嫉妬心は風に飛ばせ。部下の強みは褒めまくる。カリスマコンサルタントが、仕事と生活に追われ、ストレスいっぱいの現代人に贈る「ゆるんで頑張る」人生読本。

■感想
仕事にいきづまったり、何か悩みを抱えている人は、自分の今の状況を客観的に見て、ゆるみ力を使えるかどうか考えるのが良いかもしれない。力を抜いた自然体で、人と比べず嫉妬をなくす。頭ではわかっているのだが、それがなかなか実践できない。逆に考えると、人と比べることや嫉妬というのは、何かをがんばるエネルギーになる。しかし、本作ではそのエネルギーは良くない方向へと導くと書いている。自分が本当にやりたいことは何なのか、人と比べず、自分が心から求める物。それを見つけられる人は、本作はものすごく参考になるだろう。

はっきり言えば、人間の欲望を全て無にすれば、本作のようなゆるみ力はあっさりと身につけられるだろう。頭では悪いことだとわかっていても、なかなかその考えをやめる事ができない。金はほしいし、人から頼りにされたり、何不自由ない生活をしたいという欲望はある。ある程度、欲望が満たされた段階であれば、本作のような達観はできるのかもしれない。やりたいことをやっている作者ならば、実践するのもたやすいのかもしれない。一般のいちサラリーマンがゆるみ力を全て身につけるのは、非常にハードルが高いと思う。

ただ、ゆるみ力にも簡単に実践できるものがある。知らず知らずのうちに自分がやっていたこともある。何でもポジティブに考える性格は、夢が叶いやすいというのも、なんだか少しうれしくなった。自分の中で一番楽しい時期はいつか?という質問をされたら、いつも、今!と答えるほどポジティブな自分だからこそ、そう思うのだろうか。何か目的を持ち、そこへ進むためのエネルギーとして、本作ではタブーとされている嫉妬や人と比べることを燃料としている自分としては、納得できない部分と共感できる部分が半々というところだろうか。

自分が特殊なのか、それとも作者が聖人なのだろうか。ゆるみ力を身につければ、人生鬼に金棒なのは間違いないことだが、ハードルは高い。



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