2009.6.23 ボイスレターは特殊だ 【ボイスレター】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
ボイスレターのちょっとした行き違いから、正体不明の女性に脅迫されることになる。まず、ボイスレターというのになじみがない。テープに言葉を吹き込んで、それを相手に送り届けるというようなものらしいが、これは一般的なのだろうか。どうにも特殊なように感じ、ボイスレターから今で言うところのストーカー行為がおこなわれることになる。服役中に本を書き、それを読んだファンとの交流ということなのだが、四人もの女性と文通を続けるということにも違和感を感じずにはいられなかった。物語はミステリーとして、誰がストーカーなのかを探ることに終始している。ラストのネタばらしであっても、それほど驚くことはない。なんだか、簡単に予想がつくような結末だった。ちょっと物足りなさを感じたのは確かだ。
■ストーリー
刑務所に服役中のレイスは4人の女性とボイスレターによる文通を行っていた。やがて、出所後の彼のもとに自分以外の女性とも文通を行っていたことを知った4人の内の誰かから脅迫テープが送られて来た…。
■感想
ボイスレターをきっかけとして、四人のうち誰かに脅迫されている。ミステリーの典型としては、犯人はこの四人の中ではなく、まったく別の人物が浮かび上がるはずだったが…。本作はこの四人の中に犯人が存在することになる。消去法でいくと、わりと簡単に探り当てることができる犯人。ラストで犯人が明らかになったとしても驚くことはない。ある意味予定どおりなのかもしれない。ボイスレターというちょっと変わったものを使い、テープを用いてさまざまな脅迫行為をおこなう。一昔前の作品なので、脅迫方法にバリエーションはない。車のカセットデッキにテープを入れたりと、やけにアナログな印象を受けた。
時代的なものもあるのだろうが、最近の作品に比べるとチープだ。ネタが面白味もなければ、新鮮さもない。ボイスレターという部分が、あまりなじみがないが、やっていることは全然特殊ではない。そういった意味でも、物語は淡々と犯人探しに終始している。元服役囚ということが、どれほど足かせになるかというと、それほどでもない。四人の女性と文通を続けたという、そのプレイボーイっぷりもほとんどでてくることがない。一種のサイコサスペンスなのだが、猟奇的な恐ろしさというのもあまり感じなかった。
自分以外の女と文通をしていたと知って激怒する女たち。まぁ、そうかもしれない。しかし、有名人となったレイズと知り合うために文通をおこなっていたのだから、同じような考えの人が何人かいてもおかしくないと想像はしなかったのだろうか。ボイスレターという特殊な文通をおこなうと、離れていても、妙な親密感というのがでてきたのかもしれない。それが何年にもわたって続いたのならば、なおさらかもしれない。看守たちに聞かれたいたとしても、その思いは変わらなかったのだろう。随分と特殊な状況だ。
ミステリーとしての面白さは少ない。
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