ウェディング・プランナー


 2010.11.4  安心できるラブコメ 【ウェディング・プランナー】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
これ以上ないというほどわかりやすいラブコメ。他人の幸せばかりを演出していたウェディングプランナーが自分の幸せをつかもうとする。一目惚れした相手が、実はクライアントの婚約者だった。せっかくの恋のチャンスがすべて消えてなくなってしまう。強烈にショックな出来事もなぜか少し笑えてしまう。プランナーとしてのドタバタや、その他個性豊かなキャラクターなど、面白要素は詰め込まれている。皆が好き勝手なことを主張し、間に挟まれるかたちのヒロインの苦悩ぶりや、ラストのはちゃめちゃぶり。ハッピーエンドというか、ラブコメとしてはこれ以上ないというほど理想的な終わり方だ。誰もが安心して家族みんなで楽しめるラブコメだ。

■ストーリー

結婚にあこがれながらも、恋愛下手でなかなか結婚できない“ウェディング・プランナー”のヒロインが、一目惚れした彼はクライアントの婚約者。仕事と恋の板挟みに悩む彼女をコミカルに描いたラブコメディ。

■感想
ベタベタなラブコメではない。愛だ恋だにうつつをぬかし、うまくいかない恋に悩むというのではなく、純粋に仕事に生きてきた女が運命の出会いをする。その相手が今最も力を入れているクライアントの婚約者という現実。そんなのありえないと思えてくるが、当たり前のようにこの状況が続いていく。ラブコメらしく、秘密の関係がクライアントにバレそうになりながら、親が決めた婚約者が登場したりもする。人の幸せばかりをプロデュースし、自分の幸せを二の次にしている娘を思う親の気持ちはよくわかる。親たちや周りのあたふたぶりが面白さを増幅させている。

中盤には元彼まで登場し、不幸で恋愛ベタな女という強烈な印象が植え付けられる。仕事に生きるあまり恋愛がおろそかになるというのは定番かもしれない。それがバリバリのキャリアウーマンで、社内ではお局様扱いされているのではなく、周りからの尊敬も集めている。仕事ができるが恋愛ベタ。嫌味のない仕事っぷりが、自然と主人公に好感をもってしまう。物語の冒頭では几帳面な性格だという演出があったが、それが後半ではほとんどでてこなかったことが気になった。何かしら恋愛がうまくいかない理由の一つなのかと思ったが…。

典型的なラブコメらしく、ラストは勢いのまま進んでいる。その後どうなるかとか、結婚式に呼んだ人たちをどうするのかなんてことはどうでも良い。この時ばかりは、すべてのしがらみやモラルをかなぐり捨て、本能のまま愛を貫こうという気持ちなのだろう。悲壮感は一切なく、思うがままに突き進んでいるので爽快感がある。観衆はその後のことなど一切どうでもよく、ただ二人の愛の行く末を想像し、ニヤニヤしながらラストを迎えるべきだろう。ラブコメとしてこれほどぴったりな終わり方はない。コメディの要素があり、シリアスな部分を削り取ったからこそできる終わり方だ。

非現実的な展開を楽しむべき作品だ。



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