隣のリッチマン


 2009.7.23  こんなご近所さんは嫌だ 【隣のリッチマン】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
隣同士で親友同士、会社も同じで微妙に相手だけが出世している。まずこのニックというキャラクターがものすごく純粋だ。対して、ティムはどこか見栄っ張りな部分が見え隠れしている。一夜にして大金持ちになったニックなのだが、これが仮にティムであったら、二人の関係にそんな変化はなかったのだろう。今まで微妙に上をいっていたティムが一夜にしてニックに大差をつけられる。相手に嫌味がないだけに、その金持ちっぷりが鼻に付くのはよくわかる。ティムの微妙な心情を面白おかしく描いたコメディ。実は見ている間ずっと、もし、自分がティムだったらと思うと、胃が痛くなる思いがした。コメディタッチにしているが、実はかなり辛らつな作品だ。

■ストーリー

ニック(ジャック・ブラック)は、犬のふんを消すスプレーを発明し(社会にとってはありがたいことではないか!)、一夜にして大富豪になるが、ニックの友人で同僚、隣人でもあるティム(ベン・スティラー)は、嫉妬で爆発寸前になり大混乱に陥ってしまう。ティムはニックのもうけ話には乗らず、50パーセントの出資も断っていたからだ。

■感想
ニックの嫌味のない金持ちっぷりは見ていて楽しい。子供たちに大絶賛の謎のお菓子や、明らかに生活様式がかわり、人格までも、さらには才能までも変わってしまったような奥さんと子供たち。誰もがイメージするセレブの姿を超えている。ただ、奥さんが立候補しようとするあたり、なんだかヒラリー・クリントンにダブってしまった。金を持ち、何不自由ない暮らしをするものは、あとは名誉と歴史に名を残すことを考えるのだろうか。ニックの嫌味のない面白さは際立っている。

ティムと謎のホームレスのはちゃめちゃっぷりも面白い。なぜそうなるのか。なんで偶然にもそうなるのか。なんてことをまじめに考えてはいけない。高速回転するメリーゴーラウンドを止めるには、高速回転する馬たちの間を通り抜けなければならない。家の中にボーリング場があり、めちゃくちゃでかいベッドルームもあり、敷地内でレースもできる。こんなセレブが隣に住んでいたら、まともな神経ではいられなくなる。ティムの行動はある意味、なるようにしてなったのかもしれない。

リッチマンになったきっかけの犬のふんを消す発明。結局その原理は一切説明されることなく、物語は進んでいく。ネーミングも馬鹿ばかしければ、くだらなさは極限まで達している。隣のリッチマンに嫉妬するティムは、本当は良い人間なのだろう。子供も奥さんもまっとうな人間のはずだ。それが、同じく大金が手に入るとわかると、とたんに脂肪吸引したり、なんだか変わっていくのが笑えてしょうがなかった。あたふたするティムと何故か終始落ち着いているニック。コメディとしてはニックがもっとバタバタしたほうが楽しくなるような気がした。

正直、隣にこんなリッチマンは、いてほしくない。



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