ザ・ムーン


 2009.2.4  アポロ計画はデマではない 【ザ・ムーン】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
アメリカが月へ着陸したのはヤラセではないか。っというのが、ちょっと前に騒がれていたが、本作を見ると絶対にそんなことはないと言い切ることができる。その時代の最先端技術を使いながら、月への着陸を目指す。今から考えると信じられないほどのローテクと危険極まりない状況のまま月へと飛び立っていく。ドキュメンタリーならではのリアルさが画面を通してヒシヒシと伝わってくる。当時のパイロットたちが語る言葉は、どれも真実味にあふれており、死と隣り合わせの恐ろしさを感じることができる。月へ降り立ったはいいが、そこから飛び立つためのエンジンが一つしかない。それが故障すれば、月から出られず、あとは死を待つだけ…。恐ろしい状況だ。

■ストーリー

1960年代初頭、アメリカとソビエトは宇宙開発を競い、互いに有人宇宙飛行を成功させていた。そんな中アメリカは人類初の月着陸を目指す「アポロ計画」を発動。悲劇的な事故を起こしながらも、1969年7月16日、3人の宇宙飛行士を乗せたアポロ11号が月着陸飛行へと旅立つ。そして同7月21日、月着陸船イーグルが月面に着陸。世界中が見守る中、アームストロングとオルドリンが歴史的な一歩を月面に残すのだった。

■感想
アポロ計画の全様。宇宙飛行士たちがどんな思いで月へと出発していったのか。当時の技術では無事に月へ到達できる確率というのはどの程度だったのだろう。この時以来、月へ到達した者がいないということを考えると、技術的にはとんでもなく困難なことなのだろうか。今は、月へ行く明確な必要性がないというのもあるかもしれないが、当時の技術ではとんでもないことだったのだろう。そんな命がけの任務につき、そして、無事月へと到達する。帰ってくると英雄となり、そして、忘れ去られていく…。

ドキュメンタリーということもあり、全てがリアルで宇宙飛行士たちの緊迫した表情というのは、まさに死をかけた任務だとわかる。当時のフィルムを流しながら、宇宙飛行士たちのインタビューが続く。不幸な事故もありながら、あくなき夢へ向かってひた走る。当時のロケットの内部は、今では考えられないほど煩雑としており、ケーブルがあちらこちらに這い回り、古臭いコンピュータが壁一面にずらりと並べられている。素人目にも、これで月へ行けるのかと心配になるほどのものだ。しかし、それが飛び立ち、無事月へと到達する瞬間の感動は大きくなる。

月へ到達した宇宙飛行士たちの言葉には重みがある。運が良かったというのもあるし、チャレンジ精神旺盛だったというのもある。誰も経験したことのない、月を歩くということは、経験したものにしかわからないことなのだろう。画面に登場する宇宙飛行士たちは、皆が年をとって皺だらけの顔を笑顔でほころばせながら、誇らしげに語っていた。なんだか、この作品を見ると月へ行くなんていう大それたことは考えないが、人間誰でもやる気になればなでもできるという気持ちにさせてくれる何かがある。

古臭い映像がまた哀愁を誘って良い。



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