シャーロット・グレイ


 2010.6.8  女スパイの苦悩 【シャーロット・グレイ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
スパイに志願したシャーロット・グレイ。ドイツ占領下でのフランスへの潜入。そのことがどれほど緊張感を伴うものか。最初に登場した受け取り係りがあっさりとドイツ軍に捕まり、フランスでの潜入スパイが並大抵のことではないと知らしめる。フランス内部のレジスタンスとシャーロットの関係。ユダヤ人兄妹を匿い、ひっそりとスパイ活動を続ける。シャーロットの目的よりも、事態の深刻さと、ユダヤの迫害。さらには、ドイツ軍に媚を売る、一部のフランス人の憎たらしさばかりが目立つ作品だ。愛する男を探しにきたはずが、シャーロットの目的はだんだんと変化していく。政治的な駆け引きよりも、人道的な思いが強く表現されている作品だろう。

■ストーリー

第二次大戦下、愛する男性がフランスで行方不明になったことでスパイに志願する一人の女。苦難の末ドイツ占領下のフランスへ潜入するがそこにはさらなる試練が待ち受けていた。

■感想
愛する男を探すためにスパイに志願し、フランスへと潜入する。それがいつの間にか、男よりも潜入した先での生活と、両親を亡くしたユダヤ人兄妹を守ることに奔走する。スパイの心得を守りながら、任務をはたすはずが、スパイ活動の厳しさと、容赦のないドイツ軍の攻撃に苦戦するシャーロット。このシャーロットの気持ちの変化と、潜入した先にあるフランスのレジスタンスたちとの関係など、シャーロットがだんだんと変わっていくさまがはっきりと見てとれる。この手の作品によくありがちな、極悪非道なドイツ人という描写はなく、どちらかといえば内部的な軋轢の方が強いように感じられた。

ドイツに占領されたフランス内で、どのようにスパイ活動を続けていくのか。ちょっとした会話や、しぐさなど少しの油断も許されない状況のなか、一つの作戦が失敗すれば、それは必然的に疑心暗鬼となる。ドイツ軍占領配下にありながら、戦争が終わった後のことまで考えたロンドンの本部の行動は、あまりに用意周到すぎる。懸命に動くレジスタンスたちと、ユダヤ人兄妹を守ろうとする親子のことを考えると、シャーロットの苦労も、それほどのことでもないように感じてしまう。

本作でもっとも憎たらしいのは、フランスを占領したドイツ軍でもなければ、命令するロンドンの連絡係りでもない。同じフランス人ながら、ドイツ軍の言いなりとなり、弱みを握り、好き勝手に振舞おうとする男だ。シャーロットに近づきつつ、ユダヤ人兄妹の素性をばらされたくなければ、言いなりになれという。シャーロットの正体をわからないまでも、何かスパイとしての行動を見抜いているかのような怪しい視線。強烈なインパクトがあるのは間違いない。

これが、第二次世界大戦下でのスパイ活動の実情なのだろうか。



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