素粒子


 2008.8.25  ただのムッツリスケベ?  【素粒子】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
真実の愛にたどりつけるのか…、なんていう煽り文句もあるが、ようは性に対して興味津々なのだが、なかなかそれを表に出せずに苦しんでいる男たちの話だ。最初は物語のトーンがいまいち読めなかったが、見ていくうちに作品の雰囲気がわかってきた。若者のキャピキャピとした青臭い恋愛ではなく、もっと濃厚でドロリとした性に対する鬱憤のようなものが、ドロドロと流れだすように、物語はゆっくりそして確実に前へと進んでいく。主人公である二人の男は最終的には真実の愛を見つけることができたと言ってよいのだろうか。何が真実かはわからないが、確実に言えるのは、最初はただやりたいだけだったということだろう。それがどのタイミングで変わっていくのか。見ていてまったく気づかなかった。

■ストーリー

20世紀末のドイツ。異父兄弟のブルーノとミヒャエルは、性に奔放な母に養育を放棄され、正反対の人間に成長していく。国語教師となった兄ブルーノは、妻子がありながら性的衝動を抑えられず女性を求めて彷徨い続ける。一方、弟ミヒャエルは女性に関心を持てぬまま学究に没頭する。やがてそんな2人に転機が訪れ、それぞれに本当の愛に巡りあうのだが…。

■感想
いい年したおっさん二人が性について悩む。その姿は非常にこっけいだが、とうの本人たちは大真面目に悩んでいる。異父兄弟の二人が正反対の性格ながら、性に対しての根本的な思いは似たようなもののように感じた。極端に奥手であっても、極端に積極的であっても、それはどこか正常ではない何かがあるのだろう。ゆっくりとしたトーンで語られる本作。もしかしたら、本作は見る人をものすごく選ぶかもしれない。男が見る分には特に問題はないだろうが、女性が見ると、拒否反応を示すか、まったく興味がないかのどちらかかもしれない。

見ようによってはこの二人の気持ち悪さに耐えきれない可能性もある。冒頭から登場する二人の雰囲気はまさに典型的なむっつりスケベのように見えた。それが次第に心の奥底にある悩みや苦しみが明らかになってくると、それなりに理解でき、落ち着いて見ることができる。人の悩みはそれぞれだが、この二人の悩みについては、程度の差はあるだろうが、誰もが少しは感じている部分なのかもしれない。その極端な例がこの二人なのだろうか。

本作をそのまま鵜呑みにすると、すべては母親が悪いように描かれている。濃厚な性欲や女性に対する極端な無関心。SEXなしで子孫を残す研究をするなど、まさにいきつくところまでいってしまった上でのことなのだろう。とっさに思ったのは、恵まれない青春時代をすごしたわけでもない、それなりにチャンスはありながら活かしきれていない。もやもやした気分とドロドロとした気分は決して晴れることはないが、最後の最後で真実の愛らしいものを感じることができたので、終わりよければ全て良しというところだろうか。

人によってはまったく受け入れられない場合もある。



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