仕事が夢と感動であふれる5つの物語 


2009.8.13  どんな仕事でも楽しくなる? 【仕事が夢と感動であふれる5つの物語】

                     
■ヒトコト感想
仕事が夢と感動であふれるとまではいかないが、確かにいい話が沢山でてくる。どんな仕事であっても夢をもてば、どんな仕事でも楽しくなる。本作に登場する5つの話というのは、感動するのだが、ここから大きな変化が起きるほどのインパクトはなかった。結局は、「深いい話」的な印象で終わってしまう。読んだ瞬間に衝撃をうけ、自分のその後の行動に大きく影響を与えるような、そんな話を期待していただけに、ちょっと期待はずれだったかもしれない。仕事の意味はなんなのだろう、なんてことは新入社員をはじめ、すべての社会人が一度は考えることだろう。生活するためだけに仕事をしている人には、本作を読んで何か意味をみつけだせるヒントになればという感じだろうか。

■ストーリー

仕事自体をどうとらえて、その先にどんな夢を持って、社会や世の中とどうつなげて、そこに自分の役割をどう見つけていくか?ということで、その仕事の価値や魅力は全く変わってしまいます。それまで僕は、自分にあった職業があると思っていたのです。「この職業をやれば、自分が幸せになれる」という職業があると思っていたのです。そうではなかったのです。 (中略) すべての仕事を面白くできるし、楽しくできる。大切なことは、「仕事の意味を考える」ということだったのです。「この仕事の意味・価値って、いったい何なのだろうか?」それが明確にあれば、仕事が単なる作業から、今度は自分自身の存在価値を証明するものになる

■感想
仕事に面白さを感じていない人。仕事をする意味を見出せない人。どんな仕事であっても、かならず意味や価値があるというような論調の本作。確かに意味を見出した方が仕事に対してやる気もでて、精神衛生上良いのだろう。しかし、意味や価値を見出せなかったとしても、生活するためには仕事をしなければならない。おそらく多くの社会人たちは、仕事に対して意味や価値を見出せないまま、生活するために仕事をしているのだろう。そういった人々に本作を読んで、仕事の楽しさを再確認してもらうというのが目的なのだろう。

本作に登場するいくつかの仕事は、確かに何かしら考えさせられるものがある。利益を追求するのではなく、何か世のため人のためになることをしようとする。確かに当事者たちは感動し、夢をもって仕事に従事しているのだろう。それを読んで同じように触発され、大きな力を得て、明日の活力となる…。なんてことにはならなかった。なぜだろうか。どこか本作に登場する感動話が、できすぎているように思えて仕方がなかった。というよりも、感情移入できなかったというのが正しいのかもしれない。

「馬車のパレード」や「今日のことば」など、しっかりと感情移入できればかなり感動できるのだろう。夢に向かってひたすら突き進むという熱い気持ちにはならないが、心の中に感動として残るのは確かかもしれない。夢を実現するためには、成功者はどうしてきたのか。読んだ直後は心に残るが、その後数日経つと忘れてしまいそうな気がした。読み込む真剣度が足りなかったのか、それとも夢や感動に対して心がマヒしてきたのだろうか。自分の夢を実現するためのヒントとはならなかった。

感動に飢えている人は、読んでみても良いかもしれない。



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