幸せのポートレート


 2010.2.15  コメディ一辺倒ではない面白さ 【幸せのポートレート】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ただでさえ緊張する、「婚約者の家族と会う」という儀式が、癖のある大家族となればさらにやっかいだろう。戸惑いながらなんとか仲良くなろうとするメレディスと、最初からメレディスを色眼鏡で見てしまう家族たち。他人ではないが、近い関係でもない。微妙な関係でありながら、クリスマス休暇を一緒に過ごすことになる。変に気を使う関係というのはどちらも疲れるもの。家族愛が、ある意味ステータスにもなっている国だからこそ、本作があるのだろう。波長の合わない家族に囲まれたメレディスの助っ人として登場した妹が家族に好かれたら、もう姉の立場はない。かわいそうでありながら、なぜか笑えてくる面白コメディだ。あいまにすこしホロリとくる部分がある良作かもしれない。

■ストーリー

完璧主義のキャリアウーマン、メレディスは最高の恋人エヴェットと彼の家を訪れた。彼は家族に婚約者である彼女をお披露目するつもりだった……。だが、彼らを迎えたのは息子の将来の嫁に厳しい母、存在感の薄い父、妊娠中の長女、お酒とマリファナ好きな次男、素直になれない次女、そして、ゲイの三男などクセのある者ばかり。メレディスとストーン一家の波長はまったく噛み合わず、クリスマス・イブに理想の愛を探して大騒動が始まる!

■感想
完璧主義のキャリアウーマンであっても、婚約者の家族に受け入れられる人はいくらでもいる。メレディスのなんでも後先考えず発言する性格が、家族にとっては受け入れがたいものだったのだろう。非常に癖のある大家族の中で、メレディスを中心としてドタバタがまき起こる。次男はメレディスに色気を感じ、次女には嫌われ、母親には長男の嫁にふさわしくないというレッテルを貼られる。気の毒なほど、居づらい環境だが、メレディスのなんとか溶け込もうとする努力が空回りする部分は面白い。

本作は冒頭に、家族がクリスマス休暇のため家に集まるシーンがある。そこで、ちょっとしたキャラ紹介のようなものがあるが、これが実はかなり把握しにくい。途中まで三男の状態やパトリックという黒人がなぜいるのかまったくわからなかった。そして、次男を長男と思ったりもした。それら説明不足な部分はあるが、中盤からは怒涛の面白さがある。メレディスの妹に惹かれる長男。母親の病気を告げられる次男。なぜか昔の恋人をパーティに連れてこられる次女。だんだんと暖かな家族の絆というものが見えてくる。

タイトルのポートレートというのは、メレディスのクリスマスプレゼントにかかっているのだろう。ただのドタバタホームコメディではなく、ホロリとさせる部分があるのが本作の魅力でもある。なんだかんだいっても、家族は長男の幸せを願い、メレディスを受け入れようとする。一年後の集まりで、幸せそうなカップルができあがっているのは、なんだかうれしくなってくる。家族の中に一つのパズルのピースが欠けていたとしても、幸せな家族は続いていく。ラストがいかにもアメリカらしいと感じてしまった。

コメディ一辺倒ではない部分がとてもよかった。



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