幸せになるための27のドレス


 2009.1.13  納得できない設定だ 【幸せになるための27のドレス】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
いつも友達の結婚式にばかり出席し、幹事的な役割ばかりをかってでるお人よしなジェーン。いつか自分も…というと、結婚を夢見るけなげな女性かと思いきや、結構我が強いタイプだった。作中では”ノー”とは言えないキャラクターという設定だが、その雰囲気を感じることができなかった。ノーと言えない性格自体を変えることが、幸せへの近道だというような流れにしたいようだが、ジェーンに同情心はわいてこない。そればかりか、作中では嫌な役であるはずのテスの方に哀れみを感じてしまう。ジェーンにもっとか弱さや、引っ込み思案的な描写があればよいが、まったくその雰囲気を感じなかった。これが欧米と日本の価値観の違いだろうか。前提が崩れ去っているだけに、なんだかジェーンはとんでもない女にしか見えなかった。

■ストーリー

「いつか自分が主役になれる日がくる」と信じながら、花嫁の引き立て役に徹してきたジェーン。そんなある日、彼女にとってショッキングな出来事が起きる。ずっと片思いをしていた上司のジョージが、ジェーンのわがままな妹テスに一目惚れ! 瞬く間にプロポーズへと突き進んでしまう。どこまでもお人好しのジェーンは、泣きたい気持ちをグッとこらえて2人の結婚式の準備をすることに。でも、ショックはそれだけじゃなかった……。

■感想
自分の幸せをつかむことができないジェーン。方や自由奔放に横からジョージをかっさらっていくテス。この姉妹にどのような感情をもつかで本作の見方が変わってくる。友達の結婚式ばかり祝い、自分のことは二の次になる悲しい女性という設定のジェーン。まずそこに違和感をもってしまった。片思いのジョージに対して積極的になれないということがその大きな要因なのかもしれないが、それだけでそうは思えなかった。どうしても、控えめで自分に自信のない女性とは見ることができなかったのだ。

それに比べてテスは自分の欲望に素直になり、思うがままに行動する。確かにジェーンにとっては気の毒なことが続くが、それはしょうがないことで、自業自得か、自由恋愛の世界では当たり前のことだと思えた。それをなんだか、最終的には妹に対してとんでもない仕返しをしたり、めちゃくちゃな行動にでたり。最後にはハッピーエンドとなってはいるが、終始???の思いが強かった。ラストのカップリングであっても、その結末は容易に予想できたが、違和感をもたずにはいられない。

お人よしで、健気な可愛そうなジェーン。そう思わせなければ物語として成立しない。姉という立場であれば、何より妹の幸せを願うだろう。それを怒りに任せてとんでもないことをしてしまう。そして、それがなかったことかのように、自分は幸せになろうとする。日本ではこのタイプは間違いなく受け入れられないだろう。個人主義の思いが極度に強くなければこうはならないだろう。結婚の習慣が日米で違うことに違和感をもったのは確かだ。

自分が幸せになるためには、人の幸せも祝わなければならない。そんな意味のタイトルかと思いきや、ちょっと違っていたようだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp