サンキュー、ボーイズ


 2009.8.14  女の悲喜こもごもな人生 【サンキュー、ボーイズ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
実在する女性の15歳から35歳までを描いた本作。まずビバリー役のドリュー・バリモアがすごすぎる。約20歳もの年齢差を無難にこなし、しっかりとビバリーの人生を演じきっている。一人の女性の波乱万丈な人生。最初は父親との関係、次に夫との関係、最後には息子との関係。常に女として身近にいる男と衝突してきたビバリー。しかし、どんな厳しい現実にぶち当たろうとも、執念で乗り切っている。このビバリーという役は、ドリュー・バリモア以外には演じきれないかもしれない。幼い子供を抱えながら、必死で頑張る姿。おそらく男よりも女性の方が見ていて共感できるのだろう。しかし、男目線で見てもラスト間近の場面では思わず泣きそうになってしまった。

■ストーリー

小さな町に住むビバリーは、常に大きな夢を抱いて、積極的な人生を歩んでいたが、なかなかうまくいかない。その極めつけが男で、15歳でできちゃった結婚したレイはいつも飲んだくれていた。それでも幸せになりたい彼女は、作家になる夢をかなえるべく一大決心をする。

■感想
15歳のビバりー。若干年齢として無理があるかと思いきや、微妙な容姿の女の子という役柄がぴったりと似合っている。父親とのいざこざがありながら、若くして結婚し、子供をもうける。ビバリーの、どんなことが起きても、騒ぎながら、最後にはしっかりと受け入れ、消化していく性格は好感が持てる。旦那役の俳優も良い味をだしている。子供を育てながら、大学への奨学金を得ようとする場面では、子供とのやりとりに微笑ましく思い、旦那とのやり取りを見て、気の毒に感じてしまう。この時点での波乱万丈さはまだまだ序の口だが、いつのまにかビバリーを応援している自分に気付いた。

ビバリーは男との相性は微妙だが、友達には恵まれていたようだ。ビバリーに様々な波乱万丈が訪れるのと同じように、友達にも何かしらの変化がある。人生において、自分だけがフューチャーされがちだが、実は周りにも似たり寄ったりの人がいるということだ。ビバリー一家の行動を見ていると、非常にはらはらするが、嫌悪感を感じることはない。ドタバタしながら子供をあやす場面では、思わずニヤリとしてしまう。父親をふくめ、まわりの協力があり、ビバリーは様々な困難に対応できている。本作を見ると、しみじみと家族の大切さを認識することができる。

ラストの場面では思わず涙腺が緩みそうになってしまった。落ちぶれた元夫との再会。息子との関係。そして、お互い歳をとっても昔とたいしてかわらない父親との関係。最後に全ての男たちと和解したような形のビバリー。ヒステリックさが増したように思えたが、それは歳相応に見せるために、わざとあざとい厚化粧をし、ピリピリしているようにも見えた。優等生すぎる息子の策略にはまり、女としてダメな男はほっとけないビバリー。結局、ビバリーは全てを受け入れ成長しているということなのだろう。

女性だけでなく、男が見ても十分感動できる良作だ。



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