サムサッカー


 2009.9.16  青春は未知なるもの 【サムサッカー】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ある意味青春物語だろう。青春時代は、誰もが自分を変えたいと思い、自分の未知なる才能を信じている。親指を噛むという癖をやめられないジャスティンが、様々な出来事から変わっていく姿を描く作品。最初の雰囲気は癖をやめられない、どこか内気な少年だったが、ひとつの自信をきっかけとしてみるみる変わっていく。それでも、家族や同級生など、問題は様々。ジャスティンが悩む姿を見て、共感するのか、それとも傍観者となるのか。はっきりいえば、共感は難しい。たとえ同年代だったとしても、共感できなかっただろう。誰もが経験する青春時代の思い出のように語られてはいるが、ちょっと特殊だ。ラストがさわやかな終わり方をしていることが唯一の救いかもしれない。

■ストーリー

ジャスティンは17歳。傍から見れば何不自由ない普通の高校生だが,いまだに親指を吸うクセが直らない。そんなジャスティンに近所の歯医者は催眠術を使ってクセをやめさせようと試みる。“誰もが認める自分”になるため、正しい道を探そうとするジャスティンだったが…。

■感想
ジャスティンの周りで起こる様々な出来事。親指を噛む癖を何かの病気と考え、投薬治療する。青春時代の少年にありがちな、自分に対する大げさな希望と、現実を直視できない苛立ち。なんだか、ジャスティンは身近にいたらとてもイライラさせるタイプのように感じた。投薬治療で自分を見出し、突然開花する。討論大会で勝ちまくり、いちやくヒーローとなる。ジャスティンの行動をどう思うのか。立ち直れてよかったねと思うか、それとも違和感をもつか…。ジャスティンの変化は、青春時代の危うさをそのまま表現しているように感じた。

家族や同級生との関係。特に青春時代ではありがちな男女関係の悩み。ジャスティンの考え方や行動に共感はできないが、気持ちはわかる。もし、自分が同年代でこの作品を見ていたとしたら、どう思うだろうか。ジャスティンに感情移入はできないだろう。ジャスティンはラストでは、しっかりと現実をみて、自分のあり方に気づく。最後は非常にさわやかな終わり方だ。このラストがあることで、ジャスティンに対しては良い印象のまま終わっている。もし、あのままうじうじとしたジャスティンだったら、フラストレーションが溜まりまくりだろう。

17歳のジャスティンをどのように扱うかに戸惑う両親。特に父親の方はいただけない。名前で呼ばせるあたりも、なんだか父親としての威厳がないように感じられた。そんな中でも、母親だけは、しっかりと自分の信念を貫き、ジャスティンに対して正面から向き合っている。この母親の存在がジャスティンを大きく成長させたのだろう。青春時代の不安定さそのままに、物語もあちこちを右往左往する。しかり、最後にはしっかりとまっすぐな道を歩むので、後味は良い。

17歳時代に見ていたら、また違った感想をもったのだろう。



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