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 2010.4.13  出会い系で恋人を探す 【理想の恋人.com】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
離婚した女が周りからの策略でいつの間にか出会い系サイトに登録されてしまう。日本で言うところの出会い系とはまた違ったイメージの本作。自分の顔写真をのせるのはもちろんのこと、随分と健全なイメージが強い。一昔前ならば絶対に成立しない作品だが、このような作品がでてくるということは、アメリカではネットでの出会いが一般化しているということだろう。サイトに登録する写真を若いころの写真にし、プロフィールには良いことばかりを書く。それによるトラブルよりも、相手の男の奇抜さを面白さにしている。随分とお気楽な映画のように感じるが、サラを通じて中年女性の恋の難しさを描いている。不倫関係を迫ってくる男やちょっと癖のある男。周りが男を斡旋する圧力が強ければ強いほど、サラは自暴自棄になっているような気がした。

■ストーリー

サラ・ノーランは、8ヶ月前に離婚した30代の幼稚園の先生。彼女を愛する家族たちはそんなサラの幸せだけを願い、恋人候補を見つけることに余念がない。まだ心の傷が癒えないサラだったが、そんな家族のおせっかいにうんざりしつつも心の奥底では新たな恋との出会いを望む気持ちもあった。そんなとき、男やもめの父親の提案により、サラの姉キャロルと妹クリスティンが彼女になりすまし、出会い系サイトにそそる内容でプロフィールを出す。「グラマーで色っぽくてユーモア抜群。星の下で夜を過ごす特別な殿方を求むDWF(離婚した白人女性)。愛犬家に限る。」果たして、その反響は……

■感想
ネットでの出会いというのは難しさや危険が付きまとうのだろう。本作ではその危険な部分はまったく排除されている。そのかわりに、ネットで出会う男性はどこか強烈な個性があり、一筋縄ではいかない雰囲気を持ち合わせている。そうなってくると、サラは結局身近にいる魅力的な男性へとなびいてしまう。それがたとえ自分が担当する園児の父親だったとしても。男の身勝手さと、女の苦しみが描かれている本作。テーマはわりとディープなはずなのに、あちこちに散りばめられているギャグの数々に作品全体がコメディっぽくなっている。一つ間違えれば深刻な作品になってしまいがちだが…。

男やもめの父親が高齢にも関わらずあちこちにネットで知り合った”女友達”をつくる。サラはその女友達の一人と親しくなり、お互いの悩みを語り合う。男の身勝手さと、歳は関係なく男と女の間には永遠にお互い理解されることのない深い悩みがある。サラが唯一気に入った男であっても、一般的にはかなり偏屈な部類に入るのだろう。ネット上の出会いに偏見はないが、男と女の出会いの難しさを感じることはある。本作ではある程度年齢をいったカップルだけに、まどろっこしい駆け引きがなく、お互いが素直に言い合えるのはものすごく好感をもった。その反面、アメリカらしい契約社会的匂いも感じてしまった。

理想の恋人を探すという趣旨よりも、中年女性の恋の難しさを感じさせる作品だ。十代二十代の女の子ではなく、酸いも甘いも知りつくした年齢ともなると、男を選ぶ際の見極めるポイントもわかっている。それは男に対してもいえることで、ある程度の妥協は必要ということだ。サラ自身がシングルの生活を自嘲的とはいえ、なんだか楽しんでいるようにも見えた本作。一番の問題は周りが余計なおせっかいをすることではないだろうか。深く考えれば考えるほど、どつぼにはまりそうな作品だ。軽いラブコメとしてサラリと流し見するのが良いのかもしれない。

出会い系という字幕は、日本では良いイメージがないのは確かだ。



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