レッドクリフ PART1


 2008.11.20  三国志ファンも満足だろう 【レッドクリフ PART1】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
三国志好きは多いのだろう。横山光輝の漫画から入り、その後、光栄のゲームを経て現在に至るものにとっては三国志をテーマとしている作品を見ないわけにはいかない。実は過去にもこの手の作品はいくつかあったが、それらはどれもが期待はずれに終わっていた。本作は話題作でもあり、スターが勢ぞろいしているとあってかなり期待していた。確かに期待を裏切らないしっかりとしたつくりと、ポイントを抑えたアクション。そして、壮大な映像。まったく問題ないと思う。三国志初心者にも理解しやすいような気遣いもされており、非の打ち所がない。それだけに、キャラクターのイメージが微妙に違うことに違和感を感じてしまった。まぁ、これはコアなファンだからこそ感じることなのかもしれない。周瑜がトニー・レオンというのはどうなのだろうか…。

■ストーリー

西暦208年。曹操軍に追われる劉備軍は孫権軍と同盟を結ぶため、軍師の孔明を孫権のもとに遣わした。しかし孫権軍では曹操に脅威を感じているものの非戦を唱える臣下が多く、同盟は容易に成立しそうもない。そんな中、孔明は赤壁で孫権軍の司令官・周瑜と出会い、そのカリスマ性に魅了される。一方の周瑜も孔明の人柄と戦術眼に驚嘆し、その存在を意識するようになる。そして二人は信頼を深め、共に戦う事を決意するのだった。

■感想
史実に忠実ではなく、あくまでエンターテイメントとしての面白さを追及しているのが良く分かる。曹操が一人の女のために戦を決意したなんてことは、まったくありえないのだが、三国志初心者にとってはそのほうが分かりやすいのだろう。登場人物たちに、いちいち所属する軍と名前がふりがな付きで出てくるのも、細かいことだがとても重要なのだろう。なじみがない人にとっては漢字ばかりで覚えにくいことこの上ないからだ。これらすべてが、初心者にやさしい理由であるのだが、ベテラン三国志ファンにとってもそれほど邪魔になるものではない。

映画として見せるアクションは必要だろう。三国志の世界をワイヤーアクションで描くのはとても見ごたえがあり、目が離せない部分でもある。大群同士が策略を練って戦うさまは、まだ本当の赤壁の戦いが始まっていないにも関わらず十分興奮して見ることができる。ただ、アクションばかりが続くようであれば、飽きていたのだが、三国志の世界の醍醐味である三国の関係での複雑な人間模様はとても見ごたえがある。中でも主役である周瑜と本作の中で一番のはまり役ではないかと思える孔明。この二人の絡みはとても興味深く見ることができた。

今までの三国志ファンならば、それぞれが思うキャラクター像というのがあるのだろう。自分の場合は周瑜はイメージが違っていたが、孔明とその他のキャラクターはまさにどんぴしゃの配役だと思った。特に関羽などは、誰が見ても関羽だとひと目で分かるほどのできだ。悪役独特の魅力ある曹操。ちょっと頼りなさげだが、芯が強い孫権。情けないキャラクターだが、心優しい劉備。極めつけは飄々としたキャラクターがまさにぴったりの孔明。これらのキャラクターたちが暴れまわる本作は、前半といえども十分に楽しめる作品だ。

多少アクション部分でしつこいと感じるかもしれないが、次作を見たいと思わせる引きの強さを十分持ち合わせている。



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