プルコギ -THE 焼肉MOVIE-


 2009.9.28  無性に肉が食いたくなる 【プルコギ -THE 焼肉MOVIE-】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
無性に焼肉が食いたくなる映画だ。それも普段良く食べるようなカルビやロースではなく、内臓系だ。本作では赤肉と白肉に分け、白肉はホルモンをはじめとする内蔵系になるらしい。どことなく、ひと昔前の料理の鉄人を思わせるような料理バトルが本作のキモとなっている。焼肉勝負ということで、いやがおうでも焼肉の描写が多数登場してくる。ストーリーはともかく、肉を食いたくなることは確かだ。それも普段ならまったく食べない白肉系を食べてみたくなる。どんな高級神戸牛を使ったステーキよりも、名人が焼いたハラミの方がうまい。そんな肉を一度でいいから食べてみたいものだ。やりすぎのテレビ司会者や、トラ王の経営者など、気になるところは多々あるが、とりあえず肉が食いたくなる作品だ。

■ストーリー

人気TV番組「焼肉バトルロワイヤル」で連勝を続けている焼肉チェーン店「トラ王」の御曹司トラオ。「トラ王」は全国的に人気があったが、北九州では焼肉の達人・韓老人が経営する「プルコギ食堂」を越えることができなかった。その店を手伝う韓老人の弟子のタツジは、幼い頃、母を亡くし、たったひとりの兄とも離ればなれに。ずっと兄を探していたが、見つけることができずにいた。そんな中「プルコギ食堂」を買収しようとする「トラ王」のトラオが来店。しかし、韓老人の焼肉を食べたトラオは感動し、焼肉番組への出演を依頼するが、果たして…。

■感想
焼肉の天才であるトラオ。北九州の田舎で焼肉名人である韓老人の弟子となってプルコギ食堂を手伝うタツジ。ストーリーはごくありがちなものだ。別れた兄を探すだとか、肉を焼くタイミングだとか。誰もが想像する展開になるので、新鮮味はないかわりに安心して見ることができる。ただ、登場するキャラクターはこれでもかというほど濃い口だ。いちいちリアクションのでかい「焼肉バトルロワイヤル」の司会者や、「トラ王」の幹部など、見ていて逆にしらけてしまうほど、大げさなリアクションを繰り広げている。それらが少し鼻につくのは確かかもしれない。

プルコギ食堂にでてくる肉は、ほぼすべて白肉だ。はっきりいえば、その手の肉はあまり得意ではない。進んで食べるということはしない。それでも本作を見ると、白肉もおいしいのではないかと思えてくる。どことなく、おいしそうな料理番組を見るのとはまた違った、雑多な中で、いかにも通好みのする肉というのがすばらしい。見ていると自然と口の中によだれがたまってしまった。本作に影響されて、ホルモンなどを食べに行くと、イメージと違って愕然としてしまうかもしれない。

わかりやすく、定番的な流れだが、焼肉をテーマにしたという部分は新しい。ただ、結局はそれだけなので、本作を見て肉が食べたくならないような人は、途中で見るのをやめたほうがいいかもしれない。特別な感動や驚き、そして余韻が楽しめるような作品ではないからだ。目的をはっきりと「うまそうな焼肉を見る」ことに徹底すれば、それはそれで十分楽しめるだろう。他のオプションを求めてはいけない。ある意味、キワモノ的作品だが、目的がしっかりしている分、迷いがないので良いのかもしれない。

肉以外にもビビンバなども、とてもうまそうだった。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp