ネゴシエーター


 2009.7.9  ザ・ハリウッド的アクション 【ネゴシエーター】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
人質をとって立てこもる犯人と交渉するネゴシエーター。この交渉役の面白さを表現しているのは序盤から中盤まで、それ以降はひたすらアクションにつぐアクションで物語を終局へと導いている。交渉での巧妙なやりとりや駆け引きを期待していただけに、後半のアクションはさすがに飽き飽きしてしまった。しかし、このアクションがザ・ハリウッド映画というか、まぁ、豪華で激しいアクションなのでアクション好きにはたまらないだろう。ただ、アクションを長時間見ていると、やはりマンネリ化は否めない。交渉人としての面白さをもうちょっとアピールしてほしかった。しかし、エディーマーフィーはこの手の役が似合う。二枚目になりきれない、微妙な三枚目もよい。白人警官とのコンビもよかった。アクション好きには安心してお勧めできるだろう。

■ストーリー

人質をとる犯人と渡り合う交渉人(ネゴシエーター)として優秀な成績を収めるスコット刑事(エディ・マーフィ)は、同僚を殺した宝石強奪犯コーダ(マイケル・ウィンコット)を激しいカーチェイスの末ようやく逮捕するが、そのために彼の復讐の標的となってしまう。やがて隙をみて脱獄したコーダは、スコットの恋人ロニー(カーメン・イジョゴ)を人質に取り、スコットに挑戦してきた…。

■感想
犯人との巧みな交渉。ネゴシエーターとしてどれだけスコットが優れているのかアピールする場面だ。冒頭から大活躍するスコット。交渉人という特殊さはあまり感じず、ただ、警官として高い能力を持っているというくらいしかなかった。犯人との駆け引きも、それほど特別だとは思えなかった。しかし、それでも人質をとって立てこもった犯人と対峙する場面は緊迫感にあふれている。特に、コーダとの対決の場面では、相手の冷静さもあって、なかなかすんなりとはいかず、最終的にはコーダに出し抜かれてしまう。このあたりがもしかしたら面白さのピークかもしれない。

スコットとコーダの息もつかせぬ追いかけっこ。このあたりはハリウッド映画らしく、激しいアクションが繰り広げられる。もうおなかいっぱいというほどのアクションだ。最近の映画では見られないほど、徹底的にアクションに力を入れている。安心して見ることができるが、さすがに飽きてくる。アクションメインと思っていなかっただけに、アクションの目白押しにはちょっと驚いてしまった。中盤以降はネゴシエーターというよりも、いち警官としてといったほうが正しいのかもしれない。後半にはもはや交渉することすらないのだから。

スコットのアクションとともに、本作で目に付いたのは間違いなくコーダのタフネスぶりだ。激しいアクションの末に捉えられても、そこからよくわからない復讐心を燃やし、脱走する。そこまでいけば、あとは姿を消せばよいはずなのに、なぜかまだ復讐にこだわる。拳銃で撃たれても、激しい事故にあっても、車が炎上してもコーダは生き残り、スコットに復讐しようとする。序盤のあの冷静なコーダはどこにいったのか。スコットの相棒よりも、ダントツでコーダの方が印象に残っている。アクション映画に強力な敵の存在は不可欠だが、強烈すぎると主人公チームを食ってしまうから要注意だ。

安心して見ることができるアクション映画だ。



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