マイ・ファースト・ミスター


 2009.8.10  少女と中年オヤジの交流 【マイ・ファースト・ミスター】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
周囲になじめず、どこか浮いた雰囲気のある17歳のジェニファー。顔中にピアスをし、常に苛立ちを抱えている。母親や教師など目の敵にするように、イライラをぶつけまくる。そんなジェニファーがふとしたきっかけから中年太りの男と知り合いとなる。少女特有の年上に対する憧れか、もしくわ未知なるものへの興味か。客観的に見ると、興味本位から恋愛感情だと錯覚しているようにも見える。しかしそれが、二人の繋がりを見ていると、親子でもなく、恋人でもない、奇妙だけどさわやかな関係に思えて仕方がなかった。まだ未熟な部分が見え隠れする少女だけが感じる思い。中年男性の真摯な態度がより物語を感動深いものへと導いている。

■ストーリー

顔中にピアスをした17歳のジェニファーは、周囲に苛立ちながら過ごす愛に飢えた少女。ふとしたキッカケで知り合った49歳の中年太り紳士との間に友情が芽生え……。

■感想
49歳の小太りな男と17歳の少女の交流を描く本作。17歳の少女が普通ではない。愛や恋に対しては奥手だが、周囲に対しての苛立ちは人一倍ある。パンクな格好をし、顔中にピアスをつけ、部屋の中はドクロや怪しげなものであふれかえっている。周囲の心配をよそに、一人孤独に過ごすジェニファー。早く自立したいという思いから仕事を探し、そこで小太りな中年男性と出会う。この小太りな中年男がよい味をだしている。ジェニファーを見た目で判断して、追い出さず、それなりの仕事を与えようとする。このころのジェニファーの頑張りは見ていてほほえましくなる。

ジェニファーは恋愛経験が皆無のため、まだ見ぬ世界に強烈な妄想を抱いている。そして、身近にいる、さえないはずの中年男が、いつのまにか格好良く見えてしまう。ジェニファーの恋愛自体に対する憧れというのがよくでている。この次期特有の年上男性に対する興味や憧れに、ジェニファーの周りに対する苛立ちがさらに拍車をかけたのだろう。親子といってもおかしくないほどの年齢差であっても、ジェニファーからすれば、それは立派な恋愛対象となるのだろう。

前半のほのぼのから一転、後半は感動物語へとつながっていく。中年男性の過去を知り、現在の状況を理解するジェニファー。どうしようもない感情を処理できずとまどうジェニファー。このころには、二人は立派な恋人同士のように見えてくるから不思議だ。感動のラストへつながるにはいくつかの伏線がある。中年男性の息子だったり、看病する看護婦であったり。ジェニファーの淡い思いはどうなるのか。そして、二人の奇妙な関係は。中年男性が見るからに小太りで人のよさそうなキャラクターだけに、本作はより感動を引き込んでいる。ただのエロ親父でないところが本作のポイントかもしれない。

無名な作品だが、十分楽しめ、感動できる作品だ。



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