マイ・ビッグ・ファット・ウェディング


 2010.6.3  お国柄が違えば… 【マイ・ビッグ・ファット・ウェディング】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
タイトルから連想するのは、超巨漢のモテない女性が、恋をして美女へと変身するサクセスストーリーだ。しかし、本作は予想外に太ってもいなければ大きくもなく、特別ブサイクでもない。ただ、少しさえない三十女が、やる気をだして変身し、ハンサムなアメリカ男性と結婚するという話だ。ポイントはギリシャ系アメリカ人という部分で、結婚に対してその国独特の風習や考え方の違いに戸惑うというところだ。保守的な家族に戸惑う新郎の面白さと、ギリシャ人女性がどれだけ保守的な考え方に悩まされているかが描かれている。美女に変身するくだりは、ほとんどオマケといっていいかもしれない。必然性もなければ、特別な面白さもない。

■ストーリー

内気で冴えない外見のギリシャ系アメリカ人女性が一目惚れしたハンサムな男性のために大変身し、反対する保守的な家族を振り切って恋を成就させる過程を描いたラブ・ストーリー。

■感想
さえない女がハンサムな男のために大変身するというのは、誇張された表現だ。元がそれほどデブでブサイクなわけではないので、大変身とまではいかない。前半であっさりとハンサム男と付き合うことになり、それから愛をはぐくみ結婚まですんなりと進んでいく。その後、いざ結婚となると、発生する問題が面白さの元かもしれない。ギリシャ人女性が結婚する時にどういった儀式があり、どういった扱いを受けるのか。ほとんどの親戚の名前が”ニック”だったり、父親が偏屈だったり、特殊な面白さはある。

ギリシャ人家族におされ気味なアメリカ人家族が、ステレオタイプのアメリカ人ではないのが、少し気になった。自己主張の面ではギリシャ人家族にタジタジとなり、イメージしたのは日本人的な波風を立てない雰囲気だった。圧倒的な存在感のある家族の”頭”であるギリシャ人親父。言っていることはめちゃくちゃだが、古き良き頑固親父を彷彿とさせる。まわりの母親やおばさんたちも、何かと口うるさく言いはするが、結局最後は二人の幸せを願っている。この絶妙な家族関係が本作のメインなのだろう。

いちいち面白いのはギリシャ人親父だ。親父のインパクトには負けるが、弟やいとこも良い味をだしている。毎回ギリシャ語で変な言葉を新郎に教え、それをバカ正直に信じてしまう新郎。タイトルからは想像できない別の面白さがあり、女性が変身するサクセスストーリーを思い浮かべていると、かなり裏切られることだろう。人種のるつぼであるアメリカだからこそ存在する問題だが、人種に限らずその家庭のしきたりや風習などの違いでもめるのは、日本でもよくあることだ。

タイトルから連想するものとは違うが、面白さはある。



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