ミシェル・ヴァイヨン


 2010.8.17  主人公がかっこよすぎる 【ミシェル・ヴァイヨン】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ミシェルがかっこよすぎる。すべてにパーフェクトなレーサーであり、目隠ししてもコースを走りきることができる。その能力の源は、生まれ持った能力よりもしっかりと理論に裏づけされた考え方にある。コースの細部まで研究し、知らない土地の気候を調べるため現地人へ執拗に話を聞く。このすべてにパーフェクトだが、安易なスーパーマンではない姿にしびれた。物語全体としては、どこかマンガ的で、ル・マン耐久レースに勝つために父親が誘拐されるというぶっ飛んだ設定や、ライバルチームの車に乗り込むという強引な展開。レースのスピード感を楽しむというよりも、レーサーであるミシェルのパーフェクト具合を楽しむべき作品だろう。

■ストーリー

カリスマ的な強さを誇るカーレーサー・ミシェル率いるチーム「ヴァイヨン」が、長年の宿敵チーム「リーダー」とル・マン24時間耐久レースで決着をつけようとする。しかし、リーダーの陰謀でミシェルの仲間が事故死。さらにル・マン直前にミシェルの父が誘拐されてしまう。

■感想
ミシェルの母親が、ミシェルが事故をする夢を見る。この夢の答えはのちのちわかることだが、すべてが強引でありながら、突っ走るパワーがある。圧倒的な強さを持つレーサーであり、人格もすばらしく、さらにはイケメンである。すべてがそろったミシェルの家族はすさまじい。家は大金持ちで幸せを絵に描いたような生活。宿敵チームに多少の妨害をされるが、そんなのはお構いなし。基本的に圧倒的なスピードを持っているので、ミシェルがレースで負けることはない。

チーム「ヴァイヨン」に様々な妨害がおとづれるが、そのあたりはお決まりどおり機転を利かせた行動と、チームワークで乗り越えていく。ル・マン耐久レースがメインとなるが、そこでのレース上のライバル関係はもはや存在しない。ヴァイヨンをいかにして妨害するか、それが物語の面白さになっている。イケメンで金持ちで強いレーサー。リーダーチームの陰湿な妨害や、ありえないような誘拐などがあり、さらにはミシェルがリーダーの車に乗るというとんでもない展開になる。このぶっ飛んだ感覚はすばらしい。

レースモノだが、レースの面白さよりもミシェルの人間離れした力にばかり目がいってしまう。目隠ししたままサーキットを疾走する。大気中の気温から空気の密度を割り出し、そこからコーナリングのルートを考える。ヴァイヨン家と夫を亡くした妻がル・マン耐久レースへと挑む。ステレオタイプな悪役が中国人風な名前のわりに、がっつりと欧米人というのが少し気になったが、物語全体としてはレースモノとして定番を踏襲しながら、漫画的なぶっ飛び感を味わえる作品だろう。

結局冒頭の母親の夢との繋がりは、強引すぎて苦笑いしてしまった。



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