マーキュリー・ライジング


 2009.5.9  何をやってもダイハードだ 【マーキュリー・ライジング】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
昔からブルース・ウィルスはこの手の役をやっていたのだろう。どんな役柄であっても結局はダイ・ハードを思い出してしまう。ボロボロになり、巨大な組織に追われながらも子供を守り逃げ惑う。そして、最後には組織の黒幕を見つけ出し、逆転する。今回は、その守るべき子供が一風かわっており、自閉症児ということだ。この自閉症児のサイモンが、暗号を解読するほどの能力を持ちながらも、意思の疎通が難しいほど困難な自閉症児ときた。サイモンを守りながら謎の組織と対決するブルース・ウィルス。なんだか何を見てもダイ・ハード的に見えてしまうために、違いである子供にどう絡んでくるのか、そればかりを気にしながら見た。もう少しサイモンが独自の能力を出せば、より個性がでたかもしれない。

■ストーリー

精神に障害を持つ少年・サイモンはある日偶然、国家の極秘コード“マーキュリー”を解読してしまう。事実を知った国家安全保障局は、彼の家を奇襲、難を逃れたサイモンを見つけ出したのは、落ち目のFBI捜査官だった…。

■感想
マーキュリーという極秘の暗号を解くサイモン。その前に、パズルに組み込まれた暗号をサイモンが解き、その結果、電話をしてくるなんて、自閉症児にちゃんとできることなのだろうか。自分で飲み物を作ることもできない子供が、暗号を解き電話をする。まず、サイモンの障害具合がどの程度なのかが、はっきりしなかった。ある程度まともなのであれば、両親の死をすぐさま理解できるはずだ。そんなやっかりなサイモンを抱えながら逃げ惑うブルース・ウィルス。やっかいなものを抱えて逃げるのに、この人ほど似合う人はいない。そういった意味でも適役なのだろう。

ある一人の子供が暗号を解き、それに対して事実を隠蔽しようとする国家安全保障局。暗号を解いた本人を始末しようとするのはわかる。しかし、それ以前に、自閉症児童に暗号を解かれたという事実を重く受け止めるべきではないだろうか。一人に暗号を解かれた時点で、別の人にも解かれる危険性があるという認識はなかったのだろうか。そうなれば、サイモン一人をどうにかするのではなく、このプロジェクト自体を…。なんていう正論はともかくとして、サイモン一人に振り回される謎の組織は格好の悪者役となっている。

ブルース・ウィルスの動きと表情はそのまんまダイ・ハードなのは当然として、理解のない上司や、仲間となる同僚まで、なんとかくダイ・ハードっぽくなっている。ビル内での銃撃戦などどうしても連想してしまう場面が沢山でてくる。ブルース・ウィルスの代表作なだけに、そうなってしまうのはしょうがないのだが、せっかくなので、特殊な能力をもつサイモンが、何か力を発揮し、逃亡を助けることができればさらに変化があったように思えた。ともかく、一人の子供に(たとえ天才であったとしても)解かれるような暗号というのは、その時点で駄目だということだ。

ダイ・ハード好きにはお勧めかもしれない。



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